空がひろく見える場所が、このまちにはあって、

私はわざわざ遠回りをしてそこを通る。

落日。

天地の間に太陽が沈んでいくところを携帯でパチリ。

 

この写真を撮っている私の足元の道は

昔はちゃんと舗装されていなくて石ころがごつごつした

こぢんまりした道だった。


街灯も昔は無くて、夜になると真っ暗で

見上げればたくさんの星が瞬いてはいたけれど

遠くの街の灯が、やけに懐かしく

いつもちょっとだけ人恋しい気分で家に帰った。

 

学校を卒業してしばらく経って

きちんとしたコンクリートの舗装になって

すごくすごく背の高い街灯が出来て

電線が空に黒い筋を描いて・・・

 

こどもが通る道だし

安全なのはいいことだ。

 

だけどもう私がこの場所で空を見上げても

昔どおりの広さの空は見えないし

夜空の星も以前の光の強さは無いでしょう。

 

わたしが立っている道の脇には

アメリカのお菓子みたいな家がぽこぽこと建っている。

 

風景はどんどん姿を変えていく。

 

それは止めようがない。

変わっていくことは悪い事じゃない。

 

わかっている。

でも、

わかっていてもどこか切ない。

 

 
そんな夕方、でした。