ザ・花ゆめ掲載のスキビ番外の続き妄想です。未読の方・ネタ/バレお嫌いな方はバックプリーズ!!
ありきたりですが、意図的被せではないのでご容赦ください。
※番外続き妄想A~Cの設定でのお話です。いや、ちょっとずれてるかもしれないけど・・・話の辻褄がちょっとあってませんが目を瞑って下さいませ。連載というかシリーズでちょっとだけ世界観が繋がってるか、ズレてるかといった感じです。
時間軸的にはA のあとです。
番外続き妄想 D
収録が終わり蓮の車に乗り込んだ社は、視界に流れる景色が予想していたものと違う事に気が付いた。俳優部に急に呼び出しを喰らい、そのまま単発の仕事の溜め急いで現場に向かうことになった。仕事自体はすぐ終わる類のもので、時間調整のために夜に入っていた仕事は延期となり今日はこれで上がりだ。しかも珍しく早い時間でこれから夕食をゆっくりとってもいいくらいの時間。
「事務所に向かっているのか?今日はこれで終わりだから直接帰っても良いのに。俺も今日は事務所にいかなくてもなんとかなるぞ」
最後の仕事場から事務所と蓮の自宅は正反対だ。ましてや今日は直帰できるから自分も真っ直ぐ帰るから現地解散にしようと言っていたはずなのに・・・。
ナチュラルに車にどうぞと言われ、蓮は蓮なりに気を遣って送ってくれるつもりなのかと思ったらどうも社の自宅に向かう道のりとも違う。車は明らかに事務所に向かって走っている。
「・・・ああ、そうでしたね。でも何とかなるだけで事務所に寄った方が社さんは都合がいいんじゃないですか?」
「・・・まあ・・・そうだけど・・・」
言われてそうだったと気が付いたような蓮には珍しく歯切れの悪い言葉に、そもそも蓮自身が事務所に用があったのだろうかと社は首を傾げた。
仕事中は蓮の携帯は社が預かっている。社長からの呼び出しかとも思ったが蓮に連絡が入った様子もない。
「なに?お前自身事務所に用事があったのか?」
「用事というか・・・まあそんなもんです」
微妙に濁した蓮の様子が妙に引っかかる。前方の路面を見つめている蓮の表情を伺ってみるがポーカーフェイスからは何も読み取れない。
社は今日一日の流れを思い出し、なぞり始めた。
「もしかしてキョーコちゃんに約束取り付けたのか?」
この仕事に向かう前に、ラブミー部室で蓮を休ませキョーコと一緒に部室に出向いたことを思いかえす。
もともと社はキョーコに蓮の夕食の依頼をしようと思っていたのだが、タイミングを逃し伝えそびれていた。お膳立てなく自発的にその状況に持って行ってたとしたら・・・。
自分が飲み物を買っている間にうまい事やったのだろうか?思わず社の目が三日月の形に変化し口角も自然と吊り上る。
「だったらここで下してくれ。俺は馬に蹴られて死にたくない」
「え?何でいきなり馬が出てくるんですか」
「だからキョーコちゃんとこの後会うんだろう?お邪魔虫にはなりたくないって」
「お邪魔虫って・・・別の俺も最上さんも社さんの事をそんな風には思ってませんよ?」
「お?キョーコちゃんのこの後の体と時間を確保してることは否定しないのか」
否定もせずそのまま会話に乗った蓮に、社はぐふふと含み笑いをする。
「なんですかそのいかがわしい言い方・・・」
「いつぞやのお前のセリフだぞ。いかがわしいと認めるのか」
「・・・・・・・・」
そういえばそういう事も言ったし、淡白な反応なキョーコにちょっと残念に思った事もあったなと思い出す。そんな蓮の沈黙に、沈黙は肯定と解釈した社は勢いづいた。
「いかがわしい言い回しで好きな子を自宅に呼びつけたくせに何もしないなんてこともあったよなぁ。そろそろ抱かれたい男No.1の称号のイメージも守って欲しいもんだ」
蓮とて別に何もしなかったわけでもない。
不慮の事故とはいえ華奢な体を腕の中に閉じ込め、キスを迫って十分に動揺させ、そしてあまりにも余裕のない自分の行動に驚き、自分の中の恋心を自覚した夜だった。
「とはいえ相手は愛を信じない最強最悪のラスボスだからな~。いいか蓮!お前の芸能生命がかかってるんだそろそろ本気でキョーコちゃんを落としにかかれ!」
「いや、あの・・・社さん?俺に遊び人になれって言ってるんですか?」
蓮が過去を思い返している間に、社のセリフはヒートアップしている。黙ったままでいたのが失敗したかと蓮は社をなだめにかかったのだが・・・
「過去のお前は知らんが、今はキョーコちゃん以外の女の子に興味ないくせに。その子に対してだってこんなヘタレで・・・。お兄ちゃんはお前の表向きとのイメージとのギャップが悲しいよ。そろそろ世間とのギャップを埋めてくれ!」
「何を暴走しているんですか・・・」
赤信号で停止したタイミングたっだため、くるくると変化する社の表情をまともにを見てしまった蓮はぐったりとハンドルにもたれた。
「さっき最上さんの具合が悪そうだったから横になって休んでてと言ったんですよ」
「え、キョーコちゃんが?」
「すぐ戻るつもりだったから荷物の番もしててとお願いして部室に置いて行ってしまいました」
「お前な、そういう事は早く言えよ!キョーコちゃんの事だから具合悪くても律儀に荷物の番してるだろ!?連絡くらい・・・」
「いれれば良かったんですけどね。もしまだ寝ていたとしたら電話で起こしてしまうのもどうかと思って」
社は慌てて時計を見た。蓮を連れ出してから時間にしておおよそ1時間半。部室に向かっていたキョーコはラブミー部の書類整理の雑用があると言っていたから、回復していたとしてもきっと仕事をしているはず。蓮の言いつけのために不要に事務所で待機してはいないだろうし、具合が悪いままなら仕事終わりの蓮と送っていっても良いだろう。
既に事務所の駐車場に滑り込んだ車の中で、社はそんなことを考えつつキョーコに対するお詫びをどうしようかと考えた。そして先ほどの仕事でお土産にとお菓子を手渡されたのを思い出した。
ありがたく受け取ったものの食べないので社さん貰ってくださいと言っていたので、とりあえずのお詫びの品にこれを手渡しても良いだろう。
後部座席に置いた紙袋を振り返ったところで、今日最近蓮が持ち歩いている少し大きめのバッグが無い事に気が付いた。ラブミー部に置いてきた荷物がそれかと気が付くと同時に、その中身が何か知っている社はつい遊び心を膨らませてしまった。
「キョーコちゃん、ちゃんと寝てるかな?」
「俺が出ていくときには横になっていましたけど、どうでしょうね」
真面目に仕事してしまっているかもしれませんね、と苦笑して返してくる蓮がまだ社の意図するところには気が付いてない様子だ。
停車した車から降りた社は後部座席に置いた紙袋を手にとり、結局蓮と一緒にラブミー部へと向かう事にした。
「横になる時に枕があると楽だよなぁ」
コツコツと靴音を響かせながらの社のセリフ。
「・・・・・・・・・」
含みを持たせた言葉に蓮はチラリと社の表情を見てしまった。至極楽しそうな声色と表情に遊ばれるていることを悟り口を閉ざす。
「お前だってソレ実感してるから最近持ち歩いているんだろう?」
「・・・・実際に使ってみたら良いですし」
「時に蓮君。その君ご愛用の枕が入っているバッグがここにはないと思うんだが」
「・・・・・・・・・・・だから、部室に荷物を置いてきたって言ったじゃないですか」
観念したのか微妙な間のあと、社の言葉を肯定する旨の回答が返ってくる。
蓮は蓮で自分の羊枕『キョーコちゃん』とキョーコのツーショットをケータイのカメラに収めた事実に対して、追及されまいと微妙な罪悪感と優越感もあったりするのだが・・・
「具合が悪くて横になる時に枕があると楽だよなぁ?」
「・・・・・・はいはい。俺もそう思って枕を最上さんに貸して休んでと言いましたよ」
確信を持ってつついてくる社に、蓮はこれ以上誤魔化しても余計面倒だと白旗を上げた。
そんな担当俳優の敗北宣言に、マネージャーは更なる追い打ちをかけるべく勢いのままに口を開いた。「いいか蓮!いくら好きな子が使った枕だからって良からぬことに使うなよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「だから!自分の枕をキョーコちゃんに使わせただろ?」
「・・・あの・・・?」
「キョーコちゃんの香りがうつってるかもだなんて」
「ちょ・・・社さんっ」
ラブミー部の扉がもう目の前なのに、つい声が大きくなる社を蓮は慌てて制止した。
「なに?お前そういう事は考えないわけ?」
「・・・・・・・・そこまでは考えてませんよ」
「お前、ホントに大丈夫か?」
「・・・・・・・・考えてなかったんですけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
片手で顔を覆って、どうしてくれるんですか?と言わんばかりの様子に、それは考えてなかったけどそういえばそうだなって気がついちゃったって事か・・・?と社は少しばかりしまったと閉口するが後の祭り。
ガチャリ
扉の前で二人が逡巡していると、不意にドアが開く音がした。
「あ、やっぱり!物音がすると思ったらいらしたんですね」
ひょっこりと中から顔を出したのは話題の当事者で。気まずい沈黙から逃れられたことと、回復したのか明るい声色と血色の良い顔色に社はほっと胸をなでおろした。
「キョーコちゃんごめんね。すぐ戻るって蓮が言ってたのに急な仕事でこんなに遅くなっちゃって」
「とんでもない!ラブミー部の仕事もありましたし敦賀さんに荷物の番も仰せつかりましたし!」
急なキョーコの登場に先に動けたのは社の方だった。貰い物で悪いけどと手土産のお菓子をキョーコに手渡し、お茶でもというキョーコに誘われ部室に足を踏み入れた。
「・・・蓮?」
当然一緒に部室内に入って来るはずの蓮が入口に立ったままなのに気が付き、不思議に思って蓮の視線をたどった。
そこには・・・
「敦賀さんっ、ご安心ください!清潔に使っていただけるようにリサーチして選んだ枕ですから!肌に当たる部分は着脱可能で本体も外側もお洗濯可能なんです」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
丸裸のピンクの肌を晒した羊枕『キョーコちゃん』とその毛皮が、洗濯ばさみで挟まれてつるされていた。
どことなくその羊の姿が悲しげに見えるのは気のせいだろうか?
「敦賀さんの御持物を勝手に洗うのはどうかと思いましたが、私が使用したままでお返しする方が失礼かと思いまして!所帯臭さも完璧に除去済みです!!」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
胸を張って『ご安心ください』と宣言するキョーコを目の前に、社は担当俳優の表情を振り返ってみることができなかった。
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うううっ、やっぱり文章がおかしい・・・
ヤッシー視点で書くべきか蓮さん視点で書くべきか迷いに迷い、微妙な3人称でどうにも違和感がぬぐえませんぬ・・・。
最近の妙な違和感の正体はこれなんだなぁ。表現とは難しい。