所作 | 激流五鱗書+

激流五鱗書+

我釣りにおいて後悔をせず

毎週の台風には悩まされた。

約一ヶ月ぶりの釣り
 
今週は鵜来島へ

本日はお世話になります。
 
まずは、
ルアーマンを
名礁・丸サゲへと降ろす。
 
その後、私は
水島・西のハナへと降りた。
私の狙い
それは常にタマンのみだが、
美味いカツオ類が
回遊する時期だけに、
その足止め用にと
オキアミボイルも用意した。
 
この西のハナ
ハナと言う名の通り
岬状に突き出た磯
その為に潮通しは最高
しかし流れは複雑
 
本日はそんな磯で
所作を一から学ぶ釣りを
組み立てていきたい。
思っていた以上に
南東からのウネリがキツい。
安全を考慮し
少し高い場所から始めた。
 
潮通しが良いぶん
魚影は濃い
当然
色々な魚が当たってくる。
アカハタ
ヘラヤガラ
メガネハギ
ダツ
ムロアジ
泳がせようかとも考えたが
度胸がなかった。
何故なら
沖合いにダツを追い回す
巨大な三角鰭が
数匹見えていたので。
 
そんな魚影の濃い場所
もちろん本命魚も居る。
 
刻一刻と変わる潮
その変わる一瞬に出来る
ヨレ、カベ、シワ、
それらを転々と
いや、
イメージ的には
点々と叩き
丁寧に掛けていった。
 
だが掛かる場所が近く、
タマンとの間合いが
十分に取れない。
 
掛かるは良いが、
掛けた瞬間に一気に潜られ
耐える事で精一杯

竿は両手で支え
リールは巻けず
成す術なく切られまくる。
 
と言うのもこの磯、
際数メートル沖からドン深
一気に30メートルほど
掛け下がっている。
 
その上
潮はほぼ横流れ
なので
魚が掛かるのは
どうしても磯際となる。
 
間合いが欲しい。
 
のべ竿状態での
ガチンコ勝負には
勝ち目はない。
 
ならば流せば良い。
 
頭を少しだけ冷やし
周りを見渡す。
 
少し左寄りに
東へと向け
磯と平行に流れる
潮があった。
 
その潮へ
仕掛けを流した。
 
30メートル
いや、
50メートルほど出ていたか、
一気にラインが弾かれた。
 
タイミングを計り
ベールを起こす。
すかさずアワセを入れた。
何発も入れた。
 
物凄い重量感に襲われた。
 
魚は流れの中
 
潮下へ一気に走った。
私も走った。
この壁を50メートル程
 
魚に引かれながらの走りは
ピーターパンになり
空を飛ぶ感覚だった。
 
魚に追い付き
磯際でウネリとも戦い
膝まで浸かりながら
最後は手で掴み
何とか取り込んだ。
ハリスはザラザラだった。
 
その潮で連発した。
また空を飛んだ。
磯を駆けるピーターパンも
悪くない。
 
持ち帰りは
タマン、アカハタを
少しだけ。
カツオ類の回遊は無かった。
 
13時半、
迎えが来た。
本日はお世話になりました。
 
鵜来島・西のハナでの
磯での所作を
一から身に付ける為の釣り。
 
釣果としては
7つも掛けながら
獲れたのはたったの2つ
 
磯からの大物釣り
そんな夢を
軽々しく見るのは
早過ぎると気付かされた。
 
だが、
その事を
少しでも意識し
取り組む事で
現在の自分の力量が
ハッキリと見えた気がした。
 
次のステージ
それはまだまだ遠い道のり
 
今やるべき事は
先を見据えながらも
今 目の前にある釣りを
地道に頑張るしか他はない。