オンラインHFは、実際の治療としては「グレーゾーン」にある治療方法なので、多くの施設ではやっていないと思います。

 

HDFができる装置であれば、やろうと思えば、HFモードがありますからすぐにできます。

 

 

ところが、HDしかできない施設で、たまに除水だけするのに限外濾過(ECUM)は結構やっていると思います。

 

例えば、4時間透析で除水しきれないと判断したときに3時間半のHD+ECUM30分の指示。

 

あのECUMです。

 

これは、ECUMモードにしてフィルターには透析液は流れずに陰圧をかけて、除水だけしているので、尿素などはほんの少しは抜けるでしょうが、ほぼ水だけの移動になりますよね。

 

このECUMに置換液として透析液を時間6L=100ml/分で血液と透析液を混ぜて、陰圧をかけたらどうなるでしょう?

 

そうです。実はこれがオンラインHFなのです。

 

除水速度を0.5L/Hで実施した場合、置換液を少なくすれば、例えば100ml/分(=6L/H)だとこの透析液分も除水しないといけないので、6.5L/Hで除水されます。

 

9L/Hの置換液を入れれば、9.5L/Hで除水されます。

 

置換液を増やせば、陰圧も大きくなるために、血液中の尿素なども一緒に除去量も増えます。

 

 

実は、ECUMとはQS(置換液)が0L/HのオンラインHF とも言えます。

 

この理屈が理解できれば、実は身近な治療だとおもいませんか?

 

 

当院では、時間の延長はしてもECUMはしませんが、オンラインHFモードに変更して血圧低下を予防しつつ、溶出除去を継続するというオプションとして使っています。

 

しかし、透析には時間が一番大切であることは何度強調してもしすぎませんね。