昨日は、身体回復のお祝いに映画鑑賞をさせてもらった。


映画のタイトルは「レオニー Leonie 」(←公式HP) を観てきた。


監督 松井久子
主演 エミリー・モーティマー
    中村獅童
    原田美枝子
    竹下景子
    他


世に知られる彫刻家、イサム・ノグチの母親であるレオニー・ギルモアの生涯を描いた映画だ。


イサム・ノグチという人は、札幌近郊の人ならモエレ沼公園を思い出すはず。


モエレ沼公園は、「札幌市環状グリーンベルト」構想の北部系緑地の核となる都市公園。
ゴミ処理場として利用した後、1982年(昭和57年)から公園造成を開始。

1988年(昭和63年)には、彫刻家イサム・ノグチが計画に参画。モエレ沼公園の基本設計が策定。
ノグチによる、「公園をひとつの彫刻」とするダイナミックな構想により造成が進められ、 2005年(平成17年)7月1日にグランドオープン。

公園では、5月には「サクラの森」のサクラが咲き、6月から9月にかけてはモエレビーチが開放されます。
その他の施設として、イサム・ノグチがデザインした120基以上の遊具のある7ヶ所の遊具エリアや、石狩平野を囲む山脈を一望できる、高さ50mのモエレ山や30mのプレイマウンテンがある。
スポーツ施設としては、15面のテニスコートに野球場、陸上競技場。
イベント施設では、野外ステージやミュージックシェルなど。冬はクロスカントリースキーやスノーボードにソリ遊びが中心となり、一年を通して遊びを提供できる公園です。

(公園紹介のページより抜粋)


子供達を連れて遊びに行くこともあるので、なじみのある場所だ。


そして、もう一ヶ所は札幌大通公園の8・9丁目に制作した黒御影石のブラック・スライド・マントラ(渦巻き状の滑り台)。

 それにはこんなエピソードがあります。

 大通公園に強い関心を持ったノグチが、「ここに子供たちの楽しい遊び場をつくりたい」と、空間全体のバランスを考えた上で設置場所に決めたのは、意外に も大通公園を南北に横切る道路のど真ん中。一見無理とも思える提案でしたが、それでも札幌市は「子供らの遊び場に」とのノグチの遺志を尊重し、道路をふさ いで、そこを公園にしてしまった。
 というもの。札幌市、なかなかやるじゃん♪


おっと、今回の主人公はその母親だった。

イサム・ノグチの母親が約100年前にどんな人生を送っていたのか。

この映画を見て、知らなかったことがどんどんと浮き彫りになった。


アメリカから日本に渡ってきたレオニーにとっての生活が、どれだけ大変だったか。

そして、子供にとっても...。



監督が映像表現をとおして伝えたいモノをどれだけ感じ取ることが出来るのか。

時間軸が交差するなかで、母親レオニーの強さと優しさを感じた。


要所において、大人になったイサム・ノグチが、無言でノミを振るい、無言で何かを伝えてくる。

オイラには、その無言で石を彫り続ける姿に得も言われぬ力を感じた。


監督は、何を言いたかったのだろう、何を伝えたかったのだろう...。


オイラなりにいろいろと考えさせられたのであった。





イサム・ノグチは、いまで言うところの「ハーフ」だ。


戦時中の苦しみ、母親と離ればなれで暮らす苦しみ、日本人の血が混ざっていることによる差別、アメリカ人の血が混じっていることによる差別。

日本においては、広島の平和記念公園のコンペで、原爆投下国の...という理由で。

アメリカでは、大統領の慰霊碑が、日系の...という理由で。


有名な芸術家であるにもかかわらず、「ハーフ」という理由で理不尽な思いをさぞかししたであろう。



いろんなことが、いろんな問題がちりばめられている映画だと思う。


映像美とそこから伝わってくるモノを是非感じて欲しい映画だ。



見に行って、良かった!






お奨め度★★★★★    (最高5つ!)