過失割合がこちらに有利(例:自分20:相手80など)で、双方の車の修理見積額がそれほど高額でない場合、自動車保険を使わずに「相殺(そうさい)払い」による自費示談を選択した方が、結果としてトータルの出費を抑えられるケースがあります。
車両保険や対物賠償保険を使うと、翌年の等級が3等級下がり、向こう3年間の保険料が大幅に跳ね上がってしまうためです。
💡 相殺(そうさい)払いの仕組みと計算シミュレーション
相殺払いとは、双方が支払うべき損害額を差し引き計算し、差額のみを一括精算(またはチャラに)して示談を完了させる方法です。
具体例:過失割合「自分20:相手80」の場合
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自分の車の修理代:10万円(少額なバンパー補修など)
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相手の車の修理代:15万円(少額なフェンダー擦り傷など)
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相手から受け取る額(相手の賠償義務 80%)
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10万円 × 80% = 8万円
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自分が相手へ支払う額(自分の賠償義務 20%)
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15万円 × 20% = 3万円
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相殺計算の結論
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8万円(受取) − 3万円(支払) = 相手から自分へ「差額5万円」が支払われて解決
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ポイント この場合、保険を使わなければ**「等級ダウンによる保険料アップ(数万〜十数万円の負担)」を完全に回避**でき、手元に差額を受け取って自分の修理代(または自己負担分)に充てることができます。
📋 相殺払いで自費示談を進める手順
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事故直後は必ず警察へ届出・事故証明を残す 示談で解決する前提であっても、警察への届出は法律上の義務であり、後日の過失割合トラブルを防ぐために必須です。
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双方が修理工場で見積書を作成・確定させる お互いに板金塗装工場等で修理見積もりを取り、損害額を確定させます。
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保険会社のアジャスター(損害調査員)や担当者に相談する 自費で解決する場合でも、「等級維持と保険使用時の差額をシミュレーションしたい」「過失割合の法的主張・妥当性を確認したい」と担当者に相談すれば、アドバイスや試算を出してくれます(相談しただけでは等級は下がりません)。
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差額を計算し、双方が合意する 過失割合と双方の修理見積額を掛け合わせ、差額の支払義務者を確定します。
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「免責証書」または「示談書」を取り交わす 口約束だけでお金を支払うと、「後から首が痛くなった」「修理代が追加でかかった」と蒸し返されるリスクがあります。必ず「本件事故に関する損害賠償請求権をこれ以上行使しない(清算条項)」を記載した書面を作成し、双方が署名・捺印した上で差額を振り込みます。
⚠️ 注意すべき落とし穴
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「人身事故(怪我)」がある場合は相殺払いは避ける 治療が長引いた場合や後遺障害が出た場合、個人の手持ち資金では対応できなくなります。人身事故や相手が通院を希望している場合は、無理に保険を使わずに解決しようとせず、必ず対人賠償保険を活用してください。
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相手が無保険や資力不足の場合 相手が保険に入っておらず差額を支払えない場合、個人間での回収は困難を極めます。その際は自身の車両保険や「無保険車傷害特約」「弁護士費用特約」の利用を検討する必要があります。
💬 まとめ
「過失が少ない」「修理代が少額」「怪我人がいない物損事故」という3条件が揃っているなら、相殺払いによる自費解決は等級プロテクトとして非常に賢い選択肢です。
判断に迷った際は、見積もりを取った整備工場や加入中の保険会社に「保険を使った場合と自費の場合、どちらが得か」を試算してもらい、納得した上で書面を交わして進めるのが確実です。
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