第三回目は、代理出席のあれこれについてのお話です。

 

便利屋的には代理出席と言いますが、

実際は誰かの代理で出席するケースと、

架空の人物になって出席するケースがある。

 

実際に代理人として依頼者の名前で出席するケースは、

医療関係の学会への出席など。

 

受付で氏名を記入し、医療関係者のふりをして会場に入り、

論文の発表などを聞くことになります。

時間に余裕があり、興味のある学会なら

聞いていても色々知識にはなるのでしょうが、

今まで一度も発表を聞いたことはない。

 

学会の会費を払い、受付をし、領収証を兼ねた名札を受け取れば

会場での作業は終了。後はその名札を依頼者に送れば全ての作業が完了。

とても簡単な仕事だ。

 

架空の人物に成りすまして出席するケースは、

法事の出席や、結婚式の出席など。

 

親族が遠方にいたり、仲が悪かったりして、法事に出席しなくて

実に寂しい法事だったので10人ほど来てもらえませんかと言った依頼がくる。

 

お寺に対しての見栄もあるのでしょう。親族を装い喪服を着用しての作業にあたる。

作業と言っても、お経を聞き焼香して、お墓に花を添えるところまでの作業なので、

人数さえそろえばこれも簡単な仕事。

 

法事の簡単さから比べると、結婚式の代理出席は注意しなければならない点が多く、

事前の打ち合わせに時間を取られる。

バレるまで行かなくとも、疑われるわけにも行かないので、それなりに緊張する。

 

友人の数が新郎新婦であまりにも差があるような場合、結婚する二人で相談して
依頼してくる。この場合はさほどの注意はいらない。

 

依頼者本人以外には全く内緒の場合が多く、この場合は神経を使う。

依頼者は大概新婦で、友達がみんな結婚していて、子供が小さかったり、
地方に住んでるので出席してもらえない。という理由が多い。

会社の同僚などを呼べばいいはずだが、そうもいかない事情が有ったりする。

こちらを信頼して、新郎にも言えない事情を話して力を借りようとする新婦もいれば、
もっともらしいい作り話で依頼してくる女性もいる。

おおかた、あまり人に言えない職業についていた女性だったりする。

高校時代の友人も大学時代の友人も、ましてや職場の人も呼べなくて
便利屋に助けを求めてくる。

結婚式に出席している新婦の友人が、全員友人代理での出席者と言うこともある。

同じような年齢に見えるスタッフを用意して、

高校時代のクラスメートの役

部活で仲良かった友達役

大学時代の友人役

サークルの友達役

など、依頼者とスタッフそれぞれの役と名前を決める。

テーブル分けや名札などの関係から、出席者の名簿を式場に出す前に決めなければならない。

 

スタッフ同士でも初顔合わせの場合がある。

式場で話が弾まないとそれこそお通夜のようになってしまうから、

役を決めながら、雑談をする事で、親密さを作り出す。

 

スピーチをする者、余興を披露する者、を決め、スピーチの内容については

依頼者から予備知識を貰い、エピソードなどを作り上げる。

 

役柄が決まれば、本当の友人の結婚式に出席しているのと同じように

振る舞えばいい。写真を撮ったり、新郎に挨拶したりするのは当然のこと。

撮影した画像は各スタッフが後日メールに添付して送る。

 

勤務先の上司役が必要な場合もある。

依頼者が実際に勤めているのであれば、その会社の上司として振る舞えばいい。

上司役は両親から挨拶されたり、祝辞を述べたりするようになる。

 

依頼者が勤め先を出せない場合は、

適当な会社名をつけた架空の会社を作り、そこに勤めていているシチュエーション

を考えなければならない。

小道具として名刺を作ることとなる。

 

 

 

誰の結婚式であろうと、出席してみたいという女性は多い。

そのためスタッフの登録者数は多い。

募集するとあっと言う間に集まる。

 

ただ、どうしてもまかせて安心できるスタッフに仕事を多く頼むようになる。

あるスタッフは一時期毎週土日に結婚式に出ていた。

遠くは、静岡、新潟、大阪などまで二つ返事で行ってくれたので、

どうしても真っ先に声をかけていた。

 

無事結婚式を終えた依頼者達が、

その後、幸せな人生を歩んでくれてると思いたい。

 


第四回目は、買い物代行でのエピソードを取り上げてみます。