初めてパソコンを手にしたのは98ノートだった。

仕事で顧客管理と、入出金の管理を簡単にしたいと考え

何も考えずに98ノートを買ってきた。

 

機械物が好きな事もあり、

買ってきたその日からすぐ使えるものと思っていたら

ようするにただの箱で、思ってることをさせるには

まず覚えさせなければならないと知り、

それから悪戦苦闘の日々が始まった。

 

今から考えるととてつもなく使いずらいものだ。

表計算をするのにその当時有ったソフトは

ロータス123、とエクセル。忍者なんてソフトもあったが

選んだソフトはロータス123。

 

何故ロータス123を選んだかと言うと、車のロータスヨーロッパ

のイメージから名前で選んだだけ。

 

さあソフトも買ってきた。でもこれの使い方がわからない。

インターネットのない時代、一部の人がパソコン通信をしてるぐらいで

何かを知るためには本から知識を得るしかなく、

本を買いに行っても、簡単な解説書が見つからない。

 

何をどうすればいいのか分からないながらも、

関数の使い方については何とかわかってきたが、

自分の考えていたことをするには、どうやら

プログラムを書かなければいけないらしい。

 

何しろキーボードの文字配列にもなれてないので

関数一つ打ち込むのも時間がかかる。

Sはどこにある?Uはどこだ。イコールはどうやって打つ?

えっ、半角?

なれないキーボードで苦戦してるのに、プログラムって何?

ってところから始め、

マクロプログラムでパソコンを思ったように操ることが出来るらしいと

分かった。

 

マクロプログラムの呪文にどんなのがあるのかそれをどう使えばいいのか

魔法使いの呪文の書いてある本を探しに行ったが、

それが見つからない。
専門店に行っても見つからない。呪文をすべて網羅したものが無く、

まるで秘宝を探すインディージョーンズみたいなもんだ。

 

簡単に考えて手を付けたけどいったいいつになったら

顧客管理、金銭出納帳は出来るのか?

 

何とか呪文の書を手に入れてからはその使い方の試行錯誤の繰り返し、

やっと何とかなりそうなものが出来るまで4か月かかった。

良しこれで出来た。やった-!データーを入れるのは明日にしよう。

やったやった!

 

翌日の事はきっと生涯忘れないだろう。

 

えっ!ない!え、えええーーー!

作ったマクロがない!

 

呆然!

 

頭真っ白。

 

セーブしないまま電源を切ったらしい。

 

画面にはカーソルが点滅してるだけ。

 

気が抜けて、一月あまり98ノートを開くことが出来なかった。

 

落ち込んだら10秒でたちあがれ!

 

もっと早くいってよ。と今では思う。

 

立ち直るまで時間はかかったが、二度目なんだから

思い出しながらと始めたら、最初に思いつかなかった事が

沢山あり、マクロの内容は簡素で処理速度も速くなった。

 

出来上がるまで一月。

最初の物より格段に使い勝手がいいものになった。

 

マクロを立ち上げると、「さて、仕事しますか。」とか

間違ったデーターを入れると、「なんかちがってない?」

なんて遊び心のはいったメッセージが出るようにしたりした。

 

その後ウインドウズ98に変えるまでの短い期間ではあったが

自分の組んだ、今でいうアプリで仕事が出来た楽しい?思い出だ。

 

失敗は成功の母。

失敗から学び取るものは大きい。

 

落ち込んだら10秒でたちあがれ!

 

10秒は無理かなぁ・・・

でも諦めず、心の整理がついたときに立ち上がる。

早いに越したことはない。

 

次はきっとうまくいく。と自分を信じて・・・