伊藤尋也 | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

警察で裏金!? というタイトルと設定に驚き、興味をひかれて手に取った一冊。

 

本作は、警察が裏金を作ることを前提に、その裏金を管理する部署が存在したらどうなるのかという大胆な発想から始まる。正式名称は「総務部第九別室」。しかし、いつしか誰もが「裏金課」と呼ぶようになった部署である。

 

その主な業務は、「裏金作り」「裏金の管理」「裏金が適切に使われているかを監査する裏監査」、さらには勝手に作られた「闇裏金」の摘発。そして、裏金を用いて人知れず正義を執行することまで含まれている。

 

主人公の楓子は、「請求書の泣き声が聞こえる」という不思議な能力を買われ、裏金課へ引き抜かれる。やがて彼女らは国を揺るがしかねない巨大な闇資金の存在にたどり着く。そこから先は物語の展開が一気に加速し、ページをめくる手が止まらなくなった。

 

奇抜な設定ながらも、組織の論理や人間の欲望が巧みに描かれており、単なるエンターテインメントに終わらない面白さがある。テンポの良い展開と個性的な登場人物たちに引き込まれ、最後まで飽きることなく読むことができた。

 

ラストは続編を予感させるような終わり方で、今後の展開にも期待したい。

 

読後感

警察ものには、どんな話の展開になるかワクワク感がある。

あり得ない設定なのに妙なリアリティがあり、「もし本当にこんな部署があったら……」と想像しながら楽しめた。

ユーモアと社会風刺がほどよく効いた、新感覚の警察エンターテインメントだった。

 

 

■目次

プロローグ

第一話 「闇年金」

幕間一

第二話 「錬金術(アルケミイ)(前編)」

幕間二

第三話 「錬金術(アルケミイ)(後編)」

幕間三

第四話 「505」

エピローグ

 

■著者等紹介

伊藤尋也さん

1974年、岐阜県明智町(現・恵那市)生まれ。2021年、『孫むすめ捕物帳 かざり飴』で、時代小説作家としてデビュー。23年、『土下座奉行』で、日本歴史時代作家協会賞の文庫書き下ろし新人賞を受賞