■120ページ 五感に利くライフスタイルを取り戻せ
著者は、現代人の五感は便利さの中で磨滅しつつあり、意識的に使わなければ衰えていくと述べている。
そのためには、人工的な空間ばかりに身を置くのではなく、あえて自然の中に身を置き、五感を効率よく使う生活を取り戻すことが大切だという。
五感とは、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚のこと。
自然に触れながら、これらを意識して働かせることで、人は本来の感覚を取り戻していくのだと思う。
季節の移ろいは、白・緑・赤・茶などの色として目に飛び込んでくる。
耳を澄ませば、小鳥のさえずりやカラスの声が季節を知らせてくれる。
味覚からも記憶はよみがえり、例えばオリオンビールを飲むと、沖縄の海辺を歩いた日の風景がふっと蘇る。
鼻孔をくすぐる金木犀の香りは、「ああ、またこの季節が来た」と心に知らせてくれる。
神社で大木に触れれば、長い年月を生き抜いてきた木の生命力が手のひらに伝わってくる。
こうして五感を研ぎ澄ませていくと、自分も自然の一部として生きているという感覚が静かに戻ってくる。
老いを愉しむためには、この「自然とつながる感覚」を取り戻すことが、実はとても大切なのだと感じた。
✦ 目次
まえがき
第1章 老けない人はここが違う
(もっとわがままに生きていい/老後の信用は大きな財産 ほか)
第2章 アテにしない生き方
(いつまでも「してもらえる」と思うな/何でも年のせいにするな ほか)
第3章 定年後を愉しめる人、愉しめない人
(「読書はもっとも簡単な若返りの法である」/手書きの効用を忘れてはいけない ほか)
第4章 死ぬまで自分を見失わない
(誘われてばかりいてはダメだ/プラス思考のクセをつけなさい ほか)
✦ 著者紹介
川北義則さん
1935年大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を経て、日本クリエート社を設立。
著作は100冊を超え、エッセイを中心に執筆。講演活動も精力的に行っている。
【No2034】60歳から下手な生き方はしたくない 老いを愉しめる人、愉しめない人 川北義則 大和書房(2013/08)
