第1四半期の振り返りでは、企業の経常利益の増加分が従業員への還元よりも、内部留保や株主配当に多く回っている点が指摘されていた。また、生産年齢人口の減少を女性・高齢者・外国人で補っている現状があり、労働価値の上昇とともに離職率も高まり、労働力の希少性が一段と強まっていることが示されていた。
第2四半期に向けては、企業が「勤務の魅力」を競い合う時代に入り、特色ある多様な雇用形態の創出が期待されていた。
非正規から正規への転換、週休3日制、定年制を設けない企業、介護離職を防ぐための在宅勤務制度など、親の介護と仕事を両立できる働き方モデルの早急な構築が求められている。
人手不足により総労働力は減少を続け、企業の持続性を左右するのは人員補充の巧拙となり、労働力の奪い合いが本格化する。
普段あまり触れることのない分野について、基礎的な情報や知識を得られることは、社会のトレンドを知り、選択肢を広げるうえで大きな意義がある。
「社内転職制度―社内キャリアチェンジで個人と組織の成長促進」
「地方公務員の兼業―兼業人材による地域の人手不足解消」
「シニア社員のキャリア開発―バブル世代の大量定年に向けた急務の対応」
など、興味のあるテーマを選んで深掘りできる点は、本書の大きな魅力だと感じた。
目次
巻頭言 分配の転換点を迎えた社会―四半世紀を振り返って
第1部 グローバル化の新局面で、日本経済は持続的成長を図れるか
(長期的視点に立ち持続的成長を目指せ/関税危機を乗り越えよ/景気拡張期の記録更新へ/世界経済は「トランプ関税」で環境一変/少数与党下で悪化の可能性をはらむ財政/高値圏で推移する金/方向感の出にくい原油)
第2部 2026年のキートレンドを読む
(人口減少対策最前線―気仙沼市の挑戦/無形資産経営と知的財産の活用/人手不足下の女性活躍の課題と展望/日本企業が実現すべきガバナンスとは/アニメ業界はグローバル化の荒波を乗りこなせるか)
第3部 2026年を理解するためのキーワード
(国際社会・海外ビジネス/産業/企業経営/地球環境・脱炭素/働く場/社会・文化/地域)
執筆者一覧
【No1965】2026年日本はこうなる 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 東洋経済新報社(2025/11)
