不正と陰謀にまみれた悪徳銀行「箱根銀行」を、天才詐欺師で司法書士の東雲が鮮やかに追い詰めていく――痛快無比のエンターテインメント作品。
箱根銀行に勤める親友・燎原は、女性に貢ぐため二百億円を横領したと濡れ衣を着せられ、藪の中で自ら命を絶った。東雲はその無念を晴らすべく、銀行を壊滅させる計画に乗り出す。不動産や未公開株取引、燎原の妹・杏子と仕掛ける社内不倫報道など、次々と罠を張り巡らせていく。
粉飾決算の暴露など、展開があまりに鮮やかでスムーズに進むため、緊張感よりもむしろ一気に読み進めてしまった。もちろん、中山七里らしいどんでん返しも用意されており、意外な結末が最後まで飽きさせない。
近年の作品の中でも群を抜いてスッキリとした読後感があり、痛快さと面白さが際立つ一作だと感じた。シリーズ化されれば、さらに人気を集める予感がする。
目次
第一章 Money, Money, Money
第二章 借金大王
第三章 金持ちさんちの貧乏人
第四章 あのカネを鳴らすのはあなた
第五章 金もうけのために生まれたんじゃないぜ
著者紹介
中山七里さん
1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌10年にデビュー。同作は映画化もされ、「岬洋介」シリーズとしてベストセラーとなる
