【No1594】最後のテレビ論 鈴木おさむ 文藝春秋(2024/03) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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テレビ業界にいないと分からない華々しい世界。

その裏側をちょっと垣間見た気分だ。

鈴木おさむさんの周りに上手く派生していく粋な心意気が充満していた。

人の興味の先を先へと考え走りつづけてきた人だった。

一生懸命に頑張り続けた鈴木さんが語るいろいろなエピソード話については、自分がまさにテレビ業界にいたかような真に迫る迫力がある内容だった。

面白かった。楽しかった。良かった。

 

137P 大物を口説いた努力と気遣い 高倉健に送った50通の手紙

(SMAP×SMAP)この回が放送されると、当時の番組の最高視聴率29.4%を記録し、この高倉健さんの出演によって映画俳優さんも次々と出演してくれるようになったのだ。

50通の手紙から始まり、細かすぎるほどの気遣い。

最初から諦めたら、実現することはない。他人がやらない努力を積み重ねないと成果は出ない。相手が「本物」ならば、その努力はきっと届く。

 

138P 常識を疑い、常識を壊す 伝説を作った土屋敏男と飯島三智

「常識を疑えよ」

僕らテレビを作ってきた人間は今までの常識を壊したところにおもしろさを見出してきた。それによって新しいものが作られてきた。

 

168P テレビは事件を求めている 沢尻エリカ「かぶき者」の魅力

「テレビ×事件性」

視聴者は事件性を求めている。

 

 <目次>

はじめに―― 断筆宣言 ――

第1章 放送作家の仕事って?(自分に付加価値をつける、放送作家はテレビ局員のパートナー ほか)

第2章 こうしてヒット番組を作ってきた(ギリギリの勝負に挑む―予想を超えた「めちゃイケ」濱口ドッキリ、想像のつかないことをおもしろがる―異例の投資企画「¥マネーの虎」 ほか)

第3章 僕が尊敬するテレビの裏方たち(視聴者が見たいものを見せる勇気―木村拓哉を熱湯風呂に入れる、大物を口説いた努力と気遣い―高倉健に送った50通の手紙 ほか)

第4章 スター&レジェンドとは(テレビは事件を求めている―沢尻エリカ「かぶき者」の魅力、常に勝負する緊張感―緒形拳のスイッチを入れた木村拓哉 ほか)

第5章 最後のテレビ論(大河ドラマと朝ドラをやるとしたら、人生こそ最強のコンテンツ、奇跡が起こる可能性を信じる)

最後のテレビ論

 

1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家デビュー。バラエティーを中心に、数多くの人気番組の企画・構成・演出を手掛ける。そのほか、エッセイ・小説の執筆や漫画原作、映画・ドラマの脚本の執筆、映画監督、ドラマ演出、ラジオパーソナリティ、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。2024年3月31日に放送作家を引退著書に「仕事の辞め方」など。