作家の真梨幸子さんは、やはりイヤミスの女王だ。
見たらいけないものか怖いもの見たさに、読んだことがないものが発刊されると、ついつい手に取ってしまう変な癖が出てきてしまった。
第一印象的な緊張感が漂うサスペンスドラマに引きずり込まれてしまった。
今回も真梨劇場を一気読みで愉しませてもらった。
不幸が不幸を呼ぶ人生があり。
ひとつボタンを掛け違えば、誰もが陥るであろうリアリティある人生の転落劇を見ることができた。
「アッシーくん」「24時間たたかえますか」などのバブル期世代と、就職が簡単ではなかったころの超氷河期世代の世相の反映が随所に散りばめられていた。
全てが綺麗にまとまってラストに落ち着いたようだった。
ホームレスの女性が、公園で殺害されているのが発見された。
犯人も動機も不明。
彼女はなぜ、殺されたのか?
事件に興味をもったフリーターの女性が、不思議な縁で、被害者の人生に潜む嘘をひとつひとつ暴き、真実に近づいていく。
巧妙な罠と高速で展開するストーリーに、いつの間にか目が離せなくなる。
ある瞬間に気づく。
#さっちゃんはあなただったかもしれない
#さっちゃんはわたしだったかもしれない。
<目次>
イントロダクション
氷と泡
棘
fの呪い
アイビーハイム
1964年宮崎県生まれ。2005年『孤中症』で第三十二回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーに。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。
