当たり前の死とはなにかを考えさせられた。
健康に留意して普通に生活していた方が、自宅で急きょ亡くなるのはアブノーマル?病気で入院し病院で死ぬのはノーマルなのか。
これまでの戸惑いと違和感は決してぬぐえない。
普通に考えてみると、住み慣れた自宅で医師の判断のもと静かにあの世へ逝かせてもらえないものか。
「イジョウ死」
これは、変死とかの不審な死に方、異常な死ではなく、「異状死」
ことばの響きが悪い。
自然死が妥当なのかな。
異状死は、病院や自宅で確実に診断される内因性疾患で死亡した以外の全ての死を言っている言葉だった。
独りで自宅など孤独に亡くなった場合はなおさらだ。
この扱いとなると、犯罪に関係なくても警察が介入してくる。
看取りとして医師に手に委ねたいとご遺族が思っても、医師の死亡判断のまえに警察の事情聴取や検視の対応に追われ遺族の悲しみや別れの心がまえを遮ることとなる。
奇妙な死因究明制度だ。故人の貯金額や病歴などを聴取され、半ば強制的に様々な手続きや金銭の負担を求められるケースがあった。
異状死にあたって、これは決して他人事ではないと思う。
親や家族がいる場合、知っておくべきことなのかなと。
いまや既に少子高齢社会となり、ことさら多死社会を迎えて人口がさらに減少していく。
一人世帯も多くなってきており、なかなか連絡が取れないこともある。
鑑みると、状況が変わらなければ、この異常な事態はかなり普通に発生してくる、確実に増えてくると推察された。
終活に関する情報や知識を得る機会を持つのはやぶさかではない。
さらに諸般の情勢を学びかつ語り合う機会をつくって、これからのあらゆる状況を想定しておおいなる関心をもって見守っていきたいものだ。
<目次>
はじめに
第1章 父が、母が、「イジョウ死」扱いに
第2章 異状死という日常
第3章 異状死の異常な金銭考察
第4章 異状死は減らせるか?
第5章 施設でも起きる異状死
第6章 死因究明になぜ淡泊なのか
第7章 世論の高まりこそ大切
あとがき
参考資料一覧
東京都出身。学習院大学仏文科卒業。編集者を経て執筆活動へ。学生時代から世界各国を巡り、その体験を生かして多角的にアジアと日本の関係をテーマにした作品多数。主な著書に小学館ノンフィクション大賞受賞作『淡淡有情』など
【No1205】異状死 日本人の5人に1人は死んだら警察の世話になる 平野久美子 小学館(2022/10)
