【No.936】テスカトリポカ 佐藤 究 KADOKAWA(2021/02) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

実際にこんなことがあるのかどうか。近い事件が起きているのかどうかはっきりしないが、まるでリアルに日本で起こっているかのように陶酔させてくれた。

麻薬カルテルやドラッグ、臓器売買、貧困、ネグレクトなど現代社会の暗い部分に光を当てている。

単に興味本位だけで決して足を踏み込んではいけない領域があることを気づかせてくれる。

 

善悪を超越する圧倒的な暴力があった。

正義や優しさ、倫理観、愛などが介在する余地などないほど純粋な暴力が描かれていた。

例えば、逃走用の車を手配するために車の持ち主を躊躇なく撃ち殺すような人物たちがたびたび登場する。

どんな手段を使っても自らの利益を追求する残酷さと暴力性がリアリティを持って描かれていた。

 

奴隷たちの心臓がえぐり取られ神に捧げられる儀式があるなど、血に塗られたアステカ文明をミックスして重層にして楽しませてくれるエンターテイメントだった。

 

 <目次>

Ⅰ 顔と新造

Ⅱ 麻薬密売人と医師

Ⅲ 断頭台

Ⅳ 夜と風

暦にない日

佐藤 究

 

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。16年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。18年『Ank:a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、および第39回吉川英治文学新人賞を受賞。