酒の扱いは宗教ごとに異なっており、酒を神聖な場面で扱い、特別なものとしている場合もあり、反対に飲酒が人や社会に悪影響を及ぼすとし、酒を遠ざけている宗教・宗派もある。
ユダヤ教では、安息日や祝祭日を聖化して迎えるために、夕食前にワインを専用の杯に注いでキッドゥーシュという祈りの言葉を唱える(ブドウジュースで代用する場合もある)。
カトリックなど大多数のキリスト教会派では、ミサや礼拝の際に執り行われる聖餐式で、赤ワイン(葡萄酒、特に混ぜ物のされていない純粋なもの)がイエスの血の象徴とされている。ただし、プロテスタントの宗派の多くはアルコール分を含まないブドウジュースを用いる。
プロテスタントでは、飲酒は避けるべき悪徳であるとされる。ただし、明確に禁止されてもいないため、黙認されている。プロテスタントの中でも宗派により容認度は異なり、保守的な宗派ほど厳しい。セブンスデー・アドベンチスト教会は禁酒を勧めている。
モルモン教は飲酒を禁じている。
イスラム教では、飲酒の効用は認めつつも酒癖や健康上などの弊害が多いことを理由に飲酒を避けることを強く推奨していることに加え、酒に酔って神にお祈りすることを禁じているため1日に5回もの頻繁なお祈りが義務付けられたムスリムには酔っている時間がなく、飲酒はできないことになっている。しかし実際には多くのムスリムが適度な飲酒なら問題ないと考え、飲酒を楽しんでおり、事実上黙認されている。イスラム世界でもキリスト教徒やユダヤ教徒による醸造は許されたことが多く、飲酒文化が保持された。古来より飲酒をするムスリムは非常に多く、ルバイヤートなどでは飲酒の快楽が述べられている。現代でも比較的世俗的なトルコ、エジプトなどでは飲酒が盛んである。詳しくはイスラム教における飲酒を参照されたい。
ヒンドゥー教では飲酒は避けるべき悪徳であるとされ、中でもヴィシュヌ神の敬虔な信者の多くは飲酒をしない。
仏教でも飲酒は避けるべき悪徳であるとされる。日本の仏教各宗派でも表向きは飲酒を禁じていたが、酒は穀物を利用して作られるので仏教の殺生戒にはあたらず、般若湯と称する事で僧侶の飲酒を黙認していた宗派が多く、浄土真宗においては無戒であるため最初から許可されている。
神道では、お神酒(おみき)は神への捧げものであると同時に、身を清め神との一体感を高めるための飲み物とされる。
ラスタファリズムは飲酒を禁じている。