2008年6月8日の日曜日
歩行者天国で賑わっていた秋葉原の雑踏に一台の2トントラックが突っ込み、降りてきた男はダガーナイフで7人もの命を奪った。
所謂「秋葉原連続通り魔事件」であり、現行犯で逮捕されたのが、静岡県に住む加藤智大(25)だった。
あれから6年の時間が過ぎたが、未だに日本犯罪史上まれに見る惨劇として人々の記憶に残っている。
犯人の加藤智大は雇用先でリストラに遭い、犯行を決意したそうだが、たとえどんな境遇に遭おうとも、このような大量殺人の理由にはならないし、同情の余地も無い。
加藤智大が無期懲役になろうが死刑になろうが、全く持って知ったことでは無いのだが、その家族は悲惨なものだ。
その日を境に、生き地獄を味あわされることになるのである。
母親は事件後、精神的におかしくなり離婚してしまった。
父親も職場にいられなくなり、実家へ帰りひっそりと暮らしている。
弟は兄が犯した事件によって職を失い、家を転々とするが、マスコミは彼のことを放っておいてはくれなかった。
就いた職場にもマスコミが来るため、次々と職も変わらなければならなかった。
「あれから6年近くの月日が経ち、自分はやっぱり犯人の弟なんだと思い知りました。
加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです。
それが現実。
僕は生きることを諦めようと決めました。
死ぬ理由に勝る、生きる理由がないんです。
どう考えても浮かばない。
何かありますか。
あるなら教えてください」
これは『週刊現代』の「独占スクープ!『秋葉原連続通り魔事件』そして犯人(加藤智大被告)の弟は自殺した」の中で、週刊現代記者の齋藤剛氏が明かしている加藤被告の実の弟・加藤優次(享年28・仮名)の言葉である。
そしてこの1週間後、優次は自ら命を断った。
JCASTニュース『秋葉原事件』加藤智大の弟、自殺1週間前に語っていた「死ぬ理由に勝る、生きる理由がない」2014/4/11より
http://www.j-cast.com/tv/s/2014/04/11201931.html
必要以上に加害者の行方を暴きつきまとうマスコミ。
事件以降、執拗に加害者家族を追いかけ、逃げても逃げても心の安らぎを与えず、プレッシャーをかけ続ける。
そして自殺すればスクープの出来上がりだ。
この記者がどのような意図で加害者家族の追跡記事を書いていたのかは知らないが、日頃は人権を訴え、被害者の人権以上に加害者の人権を擁護しているマスゴミだが、加害者側が日本人の場合は必ずしもそうでは無いことが露呈したようだ。
マスゴミの手厚い「通り名報道」によって、引っ越しさえすれば素性を隠し、平和な日常を継続すことが安易に出来る韓国・朝鮮人犯罪者の家族と、執拗な取材によって自殺にまで追いやられる日本人犯罪者の家族。
これはどう考えてもフェアではない。