- 隠遁という名の逃避から
- 初出2005年10月14日19:52
その隠者はまっすぐあるけないんだ
キミのもとへ目指すけど
まっすぐ まっすぐ 目指すけど
まっすぐあるけないんだ
だから掴まるモノを探して 手探りで
キミのもとへ目指すけど
キミを見ていたのにふらついたから
見失うこともあるかもしれないんだ
だからたどり着けないかもしれないんだ
隠者はそれでも歩くんだ
たどり着けなくても届けるものはあるから
ほら、手はとどかなくても声は聞こえてきたろう
その声に向かってまた歩きだそうよ
その髭が真白になっていくけど
その躯がやせほそっていくけど
歩きだそうよ
それが隠者の永遠なんだから
隠者はほこらをでたんだ
俗世から遠ざかるのか
俗世に近づくのか
ほんとはどうでもいいことなんだ
隠者が近づきたいのはキミ自身なんだから
己自身なんだから
だからさ
声に向かって
歩こうよ
そのうち杖がみつかるといいね
すこしはまっすぐあるけるかな
キミのもとについたとき
隠者はやっと腰を下ろすんだ
そして鳥たちと空をながめて
隠者はそこで朽ちてもいいと思えるんだ
でもそれまでは目の前のキミを見て笑っていたいんだ
もう杖もいらないんだね
地面によこたわって杖さえも空をみているんだろうな
青き空でも
漆黒の闇でも
金色の月空でも
灰色の曇り空でも
激しい雨にうたれてでさえも
隠者は笑っているんだろう
かれが干上がるその日まで・・。