愛しきTの嘆き | [simju]の詩集

[simju]の詩集

紡ぐ言の葉の箱

愛しきTの嘆き
初出1995
008

愛しきTの嘆き 

Lyrics/詩麻

 

待つのみの亀 産卵の砂を掘る

生み出す泪は 愛しききみのため

 

ああ僕にはとおい 力も餌もない

冷たい海に浸かりし我は

暖かい体内と暖かいBedを差し出すだけ

 

耐性をつくらず 愛しききみのため

 

ああ奴には常に 力と餌がある

冷たい仕草を纏いし彼は

置かれた卵を孵化させるだけ

 

美しさを作れず 愛しき自己のため

 

ああ僕には永遠に 容器と鏡がある

冷たい海に浸かりし我は

消費と沈黙を気化させるだけ

 

何もつくれる 愛しき我故に