Mr.Undulation(波動の住人) | [simju]の詩集

[simju]の詩集

紡ぐ言の葉の箱

Mr.Undulation(波動の住人)
初出1995
014

Mr.Undulation(波動の住人)

Lyrics/詩麻

 

「波動の世界だけの住人さ」

あの男の肉体はきみたちに貪り散らされている

 

「堕落の味は最高ですか」

「いちばん、おいしいところをあなたにあげます」

 

あの男は少女に2切れの夢を差し出した

それはあの男自身の愛であるのに

少女は

「全てのヒトの肉の味がした」

という

 

あの男は波動の世界の人間なのです

受容を拒むきみたちには味気ないものなのですね

 

「わたしはべつに隠れてませんよ」

あの男は涙目にうったえるのだけれども

少女の目には映らない

 

いやちがうでしょう

 

少女はみないのです

彼女自身の夢は最高なのですから

 

あの男はそれを躯の許す限り喰らい続けます

 

しかし彼は波動の世界の人間です

それさえも少女の目には映らないのでした