前回からの犯罪博物館の感想は、あと一回くらい続きがあるのけれど、いったんお休みして、ちょっと今日発見したことがあったので、ブログにしたためておく。
いつも暇な時間などにやっていることだが、今日もYoutubeで怖い話や心霊画像を探して見ていた。いろいろ見ていると、ある日本の心霊番組で、イタリアのホラー映画「サスペリア」の中に発見されたという恐怖映像が紹介されている。この映画のチェレスタで演奏されたと思われる挿入音楽は、テレビの恐怖番組などでも頻繁に使用されているものなので、聞けば誰でも知っているものかもしれない。
例の日本の心霊番組は余り画像の品質が良くないので、別のYoutube画像で映画の冒頭だけをカットしたものもリンクしておいた。この映画は、アメリカ人のバレエ留学生がミュンヘンの空港に到着し、エッシャー通りに行きたいのでタクシー運転手に告げるが、言葉が通じないという場面から始まる。上の映像の3:19のあたりで、タクシー運転手の首のあたりに、その場に登場しない男の顔の下半分あたりが見えるというのだ。
この映像は日本の心霊番組でも何度も紹介されているはずで、私自身何度も見て知っていた。だが今回、この映像のコメント欄の中に、実はこの顔は、監督が冗談で自分の顔を映しておいたものだ、と誰かが書いたのを発見した。
心霊映像を発見すると、すぐに「あれはわざと映したんだよ」と強がりじみたことを言う人間がいる。このコメントを書いた人は、どこでそんな情報を仕入れたのかわからないけど、もしこの人の言う通りなら、じゃあ問題の恐怖映像の顔は当の監督に似てるはずだろうよ、とからかい半分に、「サスペリア」の監督であるダリオ・アルジェント氏の顔写真を探してみた。この映画の監督の名前は知っていたが、お姿は一度も拝見したことが無かったからだ。
で、簡単にWikipedia(ダリオ・アルジェント)で検索して、そこに添付されている顔写真を見た途端、「あ、あれは監督の顔だろう。」とほぼ確信してしまった。アルジェント監督のお顔は、顎が細長くて頬が痩せ、失礼ながらちょっとだけドラキュラに似ている感じのやや怪しい雰囲気で、映画の中の顔の下半分とほぼ一致していると判断した。この方の風貌は大変特徴的で、なかなか見間違えることはないと思う。おまけによく見ると、手で顔の上半分を隠しており、袖が顔の横に見える気がする。
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まあ、恐怖映像の件が本当に上の推測通りなのかは、これからも調べてみることにする。ちょっと話は飛ぶが、この監督の二人いる娘は両方女優で、そのうちのアーシアは個人的にある全く別の映画に女優として出演しているのを拝見して知っていた。監督の二人の娘のうちの一人であるアーシアは、まだ19歳の時に出演した「王妃マルゴ」で若い貴族の娘役を好演していたが、映画の中で陰謀により毒を盛られて死んでしまう。
このアーシアというのが、ホラー映画の監督にふさわしい感じ(失礼)の容貌の父親には似ても似つかぬ感じで大変初々しく、モデルもやっていたくらいだから、当時もそれから20年も経った今も変わらず、とても美人で魅力的な女優さんだ。だが、この女優のプロフィールをWikipediaでついでに読んでみたら、この人が結構大変な子供時代を送っている。父はイタリア・ホラー映画界を代表する監督、祖父やその兄弟はその映画のプロデューサー、母は父のホラー映画の多くに出演する女優という、文字通りホラー映画一家に生まれ育った。父親はアーシアのベッドの横で、子守唄代わりに自分の書いたホラー映画の台本を読み聞かせたというし、小さいころから父親の映画に出演する(させられる?)という、余り教育上理想的とは到底言い難い環境で成長する。「サスペリア」もそうだが、父ダリオの映画は、血みどろの殺人だのレイプだののシーンが登場するまさにトラウマ的な映画の数々で、可哀想に、おかげでアーシアはすっかりうつ状態に陥り、14歳で家を飛び出してしまう。
現在は俳優業だけでなく、家業を継いだのか自らも監督として活躍し、普通に結婚して子供もいて幸せに暮らしているようだが、ホラー映画一家の娘というのは、こんなに大変なものとは思わなかった。