今日ネットニュースを読んでいたら、某フォトモデルが最近注目されているというので、その方のブログを見てみようとして、一瞬面喰った。そのモデルさんのブログはアメブロなのだが、ブログ名が「(モデルさんの名前)✝style」となっていたからだ。
以前から気になって仕方なかったことなのだが、このモデルさんに限らずアメブロのピグ名などで、飾りのつもりなのか十字架シンボルがつけてあるものが結構ある。例えば「✝しみずゆみ✝」っていう感じだ。十字架の首飾りを、宗教と関係なく胸にかける日本の人々と同じで、聖なるシンボルとか、ちょっとおしゃれに見えるからなのか。
これは元々は短剣を表すシンボルだというのだが、十字架にも見える。で、この十字架シンボルというのは、ドイツ語圏では「死亡」もしくは「~に死亡」を表すもので、死亡年月日を書くときに添えられるものだ。例えばシューベルトだったら、下のような具合になる。
Franz Schubert (* 31.Jänner 1797; † 19.November 1828)
フランス・シューベルト(1797年1月31日-1828年1月19日)
ちなみに、生年月日の方はアスター(*)が使われる。新聞の死亡記事なども上のように記載されるし、故人について記事を書くときには、名前の横に十字架シンボルをカッコ書きでつけたりする。
アスター(星マーク)が生年月日なのは、おそらくイエス・キリストが生まれた時に輝いた星にちなんだものだろうが、これらのシンボルはもちろんキリスト教圏でしか通用しないものだ。生年月日に十字架シンボルを使うのは、ドイツ語では頻繁にみられるが、同じキリスト教圏でも欧州のよその国では一般的ではないようだ。
とはいえドイツ語圏に住んでいると、誰かの名前の横に「†」がくっついていたりするとドキッとして、「この人死んじゃったのか」と一瞬思うのは、なんとなくお分かりになっていただけるだろうか。「縁起でもないなあ」とは思うのだが、よその文化の慣わしを持ち出してもしょうがないし、と静観することにしている。