信吾の病気 5
清水景允
入学試験が終り、合格発表も終わった。
信吾のクラスの、40名の写真を貼付してある受験願書が信吾の手元に届いた。
信吾は、人の名前を憶える事が苦手である。
入学式当日までに生徒の顔と名前をしっかり憶えなければならない。
担任の仕事のはじまりだ。
名前は、あ、い、う、え、お、の順序であるため直ぐに頭に入った。
次に顔写真を見ながら、名前を憶えるのであるがイメージと名前が一致しない。
4月9日、入学式当日を迎えた。
入学式も終わり、教室に引率した。当然、父母も一緒である。
教室の入り口に「工業化学科1年」と札がぶら下がっている。
出入り口には「管理責任者富山信吾」と札が貼ってあった。
生徒40名と、付添いの父母40名近くと、工業化学科のスタッフ4名が一つの教室に入った。
先ず、信吾が「ご入学おめでとう御座います。担任の富山信吾です。
今日から、君たちが卒業する日まで、この学校で共に楽しく過ごして行きたいと思います。」と話を切り出し、「まず、私の学級運営などを話す前に科長の先生のお話を戴いてから後にします。
科長よろしくお願いします。」と続いた。
科長は歓迎の挨拶を述べた後、工業化学科のスタッフを紹介し、教室を出て行った。
この年月になると、信吾が入学したときの工業化学科の先生は退職、あるいは人事異動で入れ替わっていた。
教室の中には信吾とご夫婦で来ている父母を含めて80名程の人達になっていた。
担任としての話が始まる。
信吾は可能な限り、ゆっくりとした口調で学級運営について話し始めた。
「この学校の校訓は『信頼される人になれ・・・』です。君たちが、信頼される人になる為には、次の4つの事を目標に掲げます。
一つ いじめはしません。
二つ ものを作る事に喜び感じる様になります。
三つ 人の話を良く聞く人になります。
四つ 自分の考え方をしっかりと持つ人になります。
以上、四つです。」
さらに、話を続けて、以上掲げた4つを分析し分かりやすい言葉で説明をした。
最後の父母に向かって、
「お父さん、お母さん、ご子息、ご子女のご入学お目出度ございます。
これから3年間、お子様と共に学んで行く担任の富山信吾です。よろしくお願い致します。
お子様は、高校生で身体は大人です。しかし、感受性の高い青春期です。時にはお父様、お母様と対立する事があるかと思います。その時は親としての威厳とした態度で接して下さい。
具体的にお話をします。
本校ではバイクの運転免許取得は禁止しています。16歳になれば免許を取得することが出来ますが、本校では感受性の強い時期に、一歩誤れば命が無くなる危険なものに近づけない教育方針を掲げて居ります。
従って、もし、その様な話がお子様の口から出た場合、毅然とした態度で接してください。」と話した。
やがて、終了のチャイムが鳴った。
クラスでのオリエンテーションは終了である。
こうして、信吾は生徒と父母の接する初日が終わった。
清水景允
入学試験が終り、合格発表も終わった。
信吾のクラスの、40名の写真を貼付してある受験願書が信吾の手元に届いた。
信吾は、人の名前を憶える事が苦手である。
入学式当日までに生徒の顔と名前をしっかり憶えなければならない。
担任の仕事のはじまりだ。
名前は、あ、い、う、え、お、の順序であるため直ぐに頭に入った。
次に顔写真を見ながら、名前を憶えるのであるがイメージと名前が一致しない。
4月9日、入学式当日を迎えた。
入学式も終わり、教室に引率した。当然、父母も一緒である。
教室の入り口に「工業化学科1年」と札がぶら下がっている。
出入り口には「管理責任者富山信吾」と札が貼ってあった。
生徒40名と、付添いの父母40名近くと、工業化学科のスタッフ4名が一つの教室に入った。
先ず、信吾が「ご入学おめでとう御座います。担任の富山信吾です。
今日から、君たちが卒業する日まで、この学校で共に楽しく過ごして行きたいと思います。」と話を切り出し、「まず、私の学級運営などを話す前に科長の先生のお話を戴いてから後にします。
科長よろしくお願いします。」と続いた。
科長は歓迎の挨拶を述べた後、工業化学科のスタッフを紹介し、教室を出て行った。
この年月になると、信吾が入学したときの工業化学科の先生は退職、あるいは人事異動で入れ替わっていた。
教室の中には信吾とご夫婦で来ている父母を含めて80名程の人達になっていた。
担任としての話が始まる。
信吾は可能な限り、ゆっくりとした口調で学級運営について話し始めた。
「この学校の校訓は『信頼される人になれ・・・』です。君たちが、信頼される人になる為には、次の4つの事を目標に掲げます。
一つ いじめはしません。
二つ ものを作る事に喜び感じる様になります。
三つ 人の話を良く聞く人になります。
四つ 自分の考え方をしっかりと持つ人になります。
以上、四つです。」
さらに、話を続けて、以上掲げた4つを分析し分かりやすい言葉で説明をした。
最後の父母に向かって、
「お父さん、お母さん、ご子息、ご子女のご入学お目出度ございます。
これから3年間、お子様と共に学んで行く担任の富山信吾です。よろしくお願い致します。
お子様は、高校生で身体は大人です。しかし、感受性の高い青春期です。時にはお父様、お母様と対立する事があるかと思います。その時は親としての威厳とした態度で接して下さい。
具体的にお話をします。
本校ではバイクの運転免許取得は禁止しています。16歳になれば免許を取得することが出来ますが、本校では感受性の強い時期に、一歩誤れば命が無くなる危険なものに近づけない教育方針を掲げて居ります。
従って、もし、その様な話がお子様の口から出た場合、毅然とした態度で接してください。」と話した。
やがて、終了のチャイムが鳴った。
クラスでのオリエンテーションは終了である。
こうして、信吾は生徒と父母の接する初日が終わった。