トリチウムは自然界(人間も自然界の一員として)に
どのような影響を与えるか・・・その5 清水景允

 昨日は、生体内において細胞増殖の盛んな組織である器官にトリチウムが標識としやすく、新陳代謝の旺盛な胎児、幼児に蓄積される率が高いと話しました。今日は、どの位の放射線量のトリチウムが癌を発生させるのかについて話します。しかし、このデータは医学的に確定されているものでなく、京都大学放射線生物研究センターの小松賢志先生の発表を参考にしたものです。

 京都大学放射線生物センターの小松先生は、「トリチウムβ線では卵巣、肝、下垂体、ハーダー氏線に腫瘍発生率の増加が見られる(試験体は不明)。」さらに、「動物発癌系ではトリチウム水1回投与と同線量のトリチウム水を4週間にわたっての分割投与とを比較実験では、1回投与のリンパ腫発生率が20%なのに対して分割投与では予想に反して約4倍に増加した(原文)。」と言っています。つまり、放射線を1回照射するよりも、低い放射線量でも何回も照射すると、はるかに癌の発生率が上がることを意味しています。よく、学者の中には、「低放射線量だから海に放出しても、更に海の水によって薄められるから自然に影響が無い。」といっていますが、これは大きな誤りではないでしょうか。

 更に、同センターの放射線が生体に及ぼす影響について次の様に言っています。
「放射線が生物に与える影響は二つの現象が見られる。その一つは『細胞死』で、もう一つは『細胞の突然変異』だ。トリチウムの特徴として、『細胞の突然変異』がきわめて高い。」と言うのです(『細胞死』の現象はガン細胞の放射線を照射することによって、ガン細胞の死滅)。これは,何をものがたっているかと言うと、トリチウムは有機形として長時間生体内に留まり、低線量の放射線が細胞(DNA)にダメージを与え続け、細胞の突然変異を起こす。つまり癌化する確立が非常に大きいことを意味します。

 以上5回に渡ってトリチウムについて話してきました。
 トリチウム(三重水素)は水素の放射性同位元素であるが故に、自然界では酸素と結びつき水になることから、他の放射線元素とは異なるところがあります。水として生物の体内に容易に吸収され、体内に吸収されたトリチウム水はアミノ酸などを構成している炭素、酸素と結びつき有機形を形成し、それが長時間(トリチウムの半減期12.3年)体内に留まり、周りの細胞を突然変異させるという特徴があります。特に、新陳代謝の旺盛な胎児、幼児は母体に吸収されたトリチウム水から有機形のトリチウムとなり胎児に、幼児にと移行し大きな病気を発病させるのでないでしょうか・・・。

 今回、12月19日(2014年)の私の質問に対し資料を送っていただいた株式会社 自然エネルギー研究センター 体表取締役大友先生、並びに当時司会を務めた水島氏に熱くお礼を申し上げます。

 今も(2015年9月12日)、金曜広場に立ち続けながら日本の社会を見詰めています。その中で、現代は「情報化社会」と言われていますが、今の日本を見ていると「情報化社会になれない日本」を発見した様な気が致します。そこで、哲学的観点から「情報化社会になれない日本」と題してシリーズで投稿を予定しています。興味をおありの方見ていただけると嬉しく思います。