信吾の病気 7
清水景允
クラス担任となって2年目の春休みに、毎年恒例の職員健康診断があった。
その日は、学校を休業とし、半日掛けての全職員の健康診断である。
数日後、保健室の先生を通して結果が報告された。
信吾の左胸部に陰が写っている。と言うのである。
精密検査に回された。
左肺の底部に3センチ位の曇りが写っているのが分かった。
それを見てドクターは「気になるなら、更に詳しく調べてもらったらいいですよ・・・。」
と言うのである。
信吾は『気になったら・・・。』と言う言い方に、『気にする事はないですよ・・・。』と受け止めて良いのか・・・。また反対に大きな病気が発覚して、それをダイレクトに言わなかったのか分からない。
そこで、信吾は軽い気持ちで紹介された専門医を訪れた。
専門医は肺癌を疑った様で、肺癌の症状についての問診をしてきた。
専門医の質問にことごとく該当しなかった。
それでも、痰の検査をするのであるが、痰は出なかった。
信吾は、当時、珍しいMRI検査で胸部を輪切りに撮影した。
それを見たドクターは顔色が変わった。
ドクターは「縦隔血管腫です。早く手術を受けることを決心して下さい。」というのである。
「縦隔血管腫」全く聞いた事もない病名である。
信吾は「その病気は何ですか。全く自覚症状がないのです・・・。」
と聞いたところ、ドクターは「心臓より少し上の大動脈に瘤が出来ているのです。」と言うのである。
信吾は、さらに「それを放置したらどうなりますか・・・。」と聞いたところ、ドクターは、いとも簡単に「貴方は、死にます。」と言うのである。
『まだ、ここで死んでは居られない。哲学の仕事が残っている・・・。』
ドクターは「この手術が出来る医療施設は旭川では二つしかありません。どの医療施設にしますか。」とせかす様に聞いてきた。
「それでは、旭川医大で手術を受けます。」と答えた。
清水景允
クラス担任となって2年目の春休みに、毎年恒例の職員健康診断があった。
その日は、学校を休業とし、半日掛けての全職員の健康診断である。
数日後、保健室の先生を通して結果が報告された。
信吾の左胸部に陰が写っている。と言うのである。
精密検査に回された。
左肺の底部に3センチ位の曇りが写っているのが分かった。
それを見てドクターは「気になるなら、更に詳しく調べてもらったらいいですよ・・・。」
と言うのである。
信吾は『気になったら・・・。』と言う言い方に、『気にする事はないですよ・・・。』と受け止めて良いのか・・・。また反対に大きな病気が発覚して、それをダイレクトに言わなかったのか分からない。
そこで、信吾は軽い気持ちで紹介された専門医を訪れた。
専門医は肺癌を疑った様で、肺癌の症状についての問診をしてきた。
専門医の質問にことごとく該当しなかった。
それでも、痰の検査をするのであるが、痰は出なかった。
信吾は、当時、珍しいMRI検査で胸部を輪切りに撮影した。
それを見たドクターは顔色が変わった。
ドクターは「縦隔血管腫です。早く手術を受けることを決心して下さい。」というのである。
「縦隔血管腫」全く聞いた事もない病名である。
信吾は「その病気は何ですか。全く自覚症状がないのです・・・。」
と聞いたところ、ドクターは「心臓より少し上の大動脈に瘤が出来ているのです。」と言うのである。
信吾は、さらに「それを放置したらどうなりますか・・・。」と聞いたところ、ドクターは、いとも簡単に「貴方は、死にます。」と言うのである。
『まだ、ここで死んでは居られない。哲学の仕事が残っている・・・。』
ドクターは「この手術が出来る医療施設は旭川では二つしかありません。どの医療施設にしますか。」とせかす様に聞いてきた。
「それでは、旭川医大で手術を受けます。」と答えた。