寺田澄子との別れ、そして結婚 5
清水景允
見合いは、彼女の家の近くの喫茶店で逢う事にした。
全くの初対面であるから、目印として、カメラをテーブルの右端に置いておく事を先方に伝えた。
彼女の家は、自転車修理及び販売をしている。そこの次女である。
彼女は、旭川で大きな自動車販売店で総務部会計課会計係を担当していた。
見合い当日が来た。
信吾は一人、喫茶店に赴きカメラを机の右端に置いた。
約束の時間が来た。
母親と、小柄の娘さんが入って来た。
その母親は「中村です。」といって信吾が座っている席の前で自己紹介をした。
信吾は立ちながら「富山です。」と答えた。
娘さんは、母親の後ろから母親に隠れる様に「君枝です。」と名乗った。
母親は、今までに出会った親とは全く違って見えた。
まず、子を思う優しさが滲み出、言葉使いに気品と愛情を感じさせるものがあった。
母親は、二言三言話をし、我々2人を残し、喫茶店を出て行った。
信吾は、学校で助手をしていること、通信教育で学んでいることなど話した。
大学で哲学を専攻しているなどと言うことについては、聞かれたら答えようと思っていた。
彼女は、高校を卒業し直ちに自動車会社に勤めて4年になると言う。
一年目から金庫番を命ぜられ、緊張の日々が続いたことなど話す。
会社での只一つの楽しみは、夕方、会社に入って来た現金を銀行に持って行き、会社への帰り道、責任を果たした安堵感を味合う時だと話す。
信吾にとって、全く知らない世界である。
話に聴き入っていた。
その日は、その位の話で次回逢う約束をし、家近くまで送り別れた。
帰りの電車の中から、中村自転車店の看板が見えた。
清水景允
見合いは、彼女の家の近くの喫茶店で逢う事にした。
全くの初対面であるから、目印として、カメラをテーブルの右端に置いておく事を先方に伝えた。
彼女の家は、自転車修理及び販売をしている。そこの次女である。
彼女は、旭川で大きな自動車販売店で総務部会計課会計係を担当していた。
見合い当日が来た。
信吾は一人、喫茶店に赴きカメラを机の右端に置いた。
約束の時間が来た。
母親と、小柄の娘さんが入って来た。
その母親は「中村です。」といって信吾が座っている席の前で自己紹介をした。
信吾は立ちながら「富山です。」と答えた。
娘さんは、母親の後ろから母親に隠れる様に「君枝です。」と名乗った。
母親は、今までに出会った親とは全く違って見えた。
まず、子を思う優しさが滲み出、言葉使いに気品と愛情を感じさせるものがあった。
母親は、二言三言話をし、我々2人を残し、喫茶店を出て行った。
信吾は、学校で助手をしていること、通信教育で学んでいることなど話した。
大学で哲学を専攻しているなどと言うことについては、聞かれたら答えようと思っていた。
彼女は、高校を卒業し直ちに自動車会社に勤めて4年になると言う。
一年目から金庫番を命ぜられ、緊張の日々が続いたことなど話す。
会社での只一つの楽しみは、夕方、会社に入って来た現金を銀行に持って行き、会社への帰り道、責任を果たした安堵感を味合う時だと話す。
信吾にとって、全く知らない世界である。
話に聴き入っていた。
その日は、その位の話で次回逢う約束をし、家近くまで送り別れた。
帰りの電車の中から、中村自転車店の看板が見えた。