寺田澄子との出会い 7
清水景允
山から降りた富山信吾は、次の日の夕方、仕事が終わってから寺田澄子と逢う約束をしていた。
その日の天候は悪く、時たま強い風が雪を巻き上げていた。
信吾は、約束の時間より早く、いつもの慶応旭川クラブで月例会を行なう喫茶店「チロル」に入った。チロルには、慶応旭川クラブの溜まり場で落書帳が置いてある。その落書帳は、例会以外の連絡帳でもあった。
信吾は、その落書帳に目を通し、寺田澄子との逢う時間を待った。
チロル奥に裏庭に通じる観音開きのドアーがあるが、今は、その両開きドアーは表から簀の子状の板が張ってある。
雪の重さでドアーが破損するのを防ぐためだ。
その、簀の子状の隙間からドアー半分まで雪が積もっているのが見える。
雪積の、上の部分は日が落ち裏庭の暗闇の世界で、下の部分は、積もった雪がチロルの室内灯の光に照らされて白とも、黄色とも言えない色で目に入る。
時たま、その雪の表面にパウダ状の雪が風に巻き上げられ右から左へと流れ闇の中に消える。
信吾は、『まだ、吹雪いているな・・・。』と思った。
待ち合わせ時間の少し前に寺田澄子が店に入って来た。
チロルの室内灯は、クラシックな電灯傘の下にタングス電球の光が黄色く輝いていた。
寺田は「今晩は・・・。来ていたのですか・・・。」
例の澄み切った声で挨拶をして来た。
信吾は「いや、君より少し早かっただけだよ・・・。出張ご苦労様・・・。」と返事を返した。
信吾は続けて「今日は、風が強いね・・・。豊田(寺田澄子澄子の自宅のある地区)の方はもっと風が強いのでないかな・・・。」
寺田澄子は「そうですね・・・。」と答えただけであった。
その後、二人の会話は少なかった・・・。
清水景允
山から降りた富山信吾は、次の日の夕方、仕事が終わってから寺田澄子と逢う約束をしていた。
その日の天候は悪く、時たま強い風が雪を巻き上げていた。
信吾は、約束の時間より早く、いつもの慶応旭川クラブで月例会を行なう喫茶店「チロル」に入った。チロルには、慶応旭川クラブの溜まり場で落書帳が置いてある。その落書帳は、例会以外の連絡帳でもあった。
信吾は、その落書帳に目を通し、寺田澄子との逢う時間を待った。
チロル奥に裏庭に通じる観音開きのドアーがあるが、今は、その両開きドアーは表から簀の子状の板が張ってある。
雪の重さでドアーが破損するのを防ぐためだ。
その、簀の子状の隙間からドアー半分まで雪が積もっているのが見える。
雪積の、上の部分は日が落ち裏庭の暗闇の世界で、下の部分は、積もった雪がチロルの室内灯の光に照らされて白とも、黄色とも言えない色で目に入る。
時たま、その雪の表面にパウダ状の雪が風に巻き上げられ右から左へと流れ闇の中に消える。
信吾は、『まだ、吹雪いているな・・・。』と思った。
待ち合わせ時間の少し前に寺田澄子が店に入って来た。
チロルの室内灯は、クラシックな電灯傘の下にタングス電球の光が黄色く輝いていた。
寺田は「今晩は・・・。来ていたのですか・・・。」
例の澄み切った声で挨拶をして来た。
信吾は「いや、君より少し早かっただけだよ・・・。出張ご苦労様・・・。」と返事を返した。
信吾は続けて「今日は、風が強いね・・・。豊田(寺田澄子澄子の自宅のある地区)の方はもっと風が強いのでないかな・・・。」
寺田澄子は「そうですね・・・。」と答えただけであった。
その後、二人の会話は少なかった・・・。