助手時代 十
清水景允
原子力工学の独学は続く。
科学理論を具体的な形にするのは、科学者ではない。技術者である。
その技術者は科学理論を理解せず、形にしてしまった場合、重大な事故をおこす。
例えば、科学者が作り上げた理論を、技術者との綿密な計算の元に、機械を開発し成功した時、その機械の利便性を表面的に見た第三者が、その機械を模倣し作り上げたところ、重大な事故を生み出すことがある。それだけ、科学者と技術者とは車の両輪なのだ。
そもそも、原爆はアインシュタインの方程式を兵器に応用できないかと言うことで、当時の政治家が科学的分析もせず、技術者に開発させたものであった。従って、その功罪について科学的観点から充分に研究されないで、国家の感情で作り上げたものであって、当時、放射性物質の危険性など考える時間的余裕がなかった。
信吾は、小学生の時、第五福竜丸が放射能を浴び、その乗組員が死んで行ったという事件が脳裏に浮かぶのである。
どうして、原子爆弾が爆発すると放射能を帯びた物質が出来るのだろう。
そして、その放射性物質は生理学的にどのように生体に傷をつけるのだろう。
疑問が生じて来るのであった。
清水景允
原子力工学の独学は続く。
科学理論を具体的な形にするのは、科学者ではない。技術者である。
その技術者は科学理論を理解せず、形にしてしまった場合、重大な事故をおこす。
例えば、科学者が作り上げた理論を、技術者との綿密な計算の元に、機械を開発し成功した時、その機械の利便性を表面的に見た第三者が、その機械を模倣し作り上げたところ、重大な事故を生み出すことがある。それだけ、科学者と技術者とは車の両輪なのだ。
そもそも、原爆はアインシュタインの方程式を兵器に応用できないかと言うことで、当時の政治家が科学的分析もせず、技術者に開発させたものであった。従って、その功罪について科学的観点から充分に研究されないで、国家の感情で作り上げたものであって、当時、放射性物質の危険性など考える時間的余裕がなかった。
信吾は、小学生の時、第五福竜丸が放射能を浴び、その乗組員が死んで行ったという事件が脳裏に浮かぶのである。
どうして、原子爆弾が爆発すると放射能を帯びた物質が出来るのだろう。
そして、その放射性物質は生理学的にどのように生体に傷をつけるのだろう。
疑問が生じて来るのであった。