助手時代 八
                   清水景允

 そんな中、学校から宿泊研修の引率団の一員としての辞令が出た。
学校では新入生に二泊三日の宿泊研修というカリキュラムがあり、新入生を担任以外に引率団団長、フリーの先生四名からなる引率団を結成される。そのフリーの引率の一員として宿泊研修に加わるのであった。
研修場所は十勝岳白金温泉にある「青年の家」である。
クラス事にバスに乗り青年の家に向かった。
信吾の担当は、工業化学科の生徒を担任と共に引率するのであった。その担任は、大学を出て初めてのクラス担任を受け持つ新任の教諭である。言わば、歳は若いが信吾の方が母校に在籍している期間が長く、本校の慣習をある程度知っていた。その担任を補佐する為の人選であった。
 青年の家に到着した。
それぞれ、クラス事に割与えられた部屋に入った。手荷物を置くと直ちに講堂へ集合である。青年の家施設長の講話である。
印象に残ったのは「十分前行動開始、五分前集合完了」と言う言葉で、集団で行動する時、一人一人が集団の一員であるという自覚の元に、時間を有効に使用することが出来る、と言うことを信吾は教えられるのである。
が、一方において、全てがこのように管理されると個性の喪失に繋がるのでないかと考えるのであった。
その日は、それぞれのグループに別れ、グループ研修に入った。
次の日は、十勝岳への登山である。