~人は、誰かにとっての登場人物である~ -18ページ目

~人は、誰かにとっての登場人物である~

不動産会社勤務。仕事中にアパートの孤独死に触れ、
「人は、だれかに影響できる」というシンプルな事実に気付きました。仕事や家庭、その他、登場人物としての日常を、気づきとともに綴ります。

あなたに
感謝します。

僕に
出会ってくれて
ありがとう


もし

人が
自分の足で
立っていなくては
ならないとしても

みんな
みんなの顔を
思い浮かべる時


後ろに倒れかけた
この背中に


手のひらが
たくさん
たくさん
たくさん現れて


僕の背中を
無数の手のひらが
支えてくれるのを感じるから

温もりが
背中より
胸の奥まで
張り出して染み込んで



声を
前に飛ばすための

力になるから





そんな
みんなの手のひらが


いつも
僕を奮い立たせる




これを読んでいる



あなたがそうです。

ありがとう

また会いましょう



決して
美しい造形物では
ないけれども。

僕が
曇り空を
気にするなら

それを
明るさではなく
暗さと
捉えているのだろう



悲しみに
暮れないよう


それは
雨を見ること


苦しみに
手を貸さないよう


それは
スイートルームに
一点の染みを見ること




しかしながら


どんな光も

闇なくしては
光たることは


できないのも


またひとつの事実
深夜

車内


フロントガラスに

映写された闇の

サイレント映画を
一人見る


上演開始以来


スクリーンの中で
動いたものは


時間の経過を
表すための
団地の空の
赤い月
ただひとつ


歩み柔らかに
狐色に染まりゆき

それは
眠る町の上空に


BGMは
静かなピアノの音


人差し指の腹で
そっと押し沈めただけの

鍵盤のささやくような
レクイエム



嗚呼


夜よ

赤い月よ



宇宙のひとときに
僕は居合わせている



あなたからの
静まり返るほどの愛を


安らぎの闇に織り込んで
明日を思うでもなく

ただ
今に心を
傾けている夜更けの歌を



今はただ

共に歌おう



無限の愛が
宇宙に伝播する


その時まで
永遠を続けるだけで


愛する人の
寝息のような今が

闇よりも深い愛で
染め上げられ

この
世界を
人知れず
愛し続けているのが


波のように
心の湖に

岸辺に寄せてくるから