~人は、誰かにとっての登場人物である~ -13ページ目

~人は、誰かにとっての登場人物である~

不動産会社勤務。仕事中にアパートの孤独死に触れ、
「人は、だれかに影響できる」というシンプルな事実に気付きました。仕事や家庭、その他、登場人物としての日常を、気づきとともに綴ります。



「そっちに行っちゃだめよ」

走り回る子供に
優しく声をかける母



「何があるんだろう」

幼心に
子は思った


開拓者が
切り開いた道で

後に続く者達は
その苦しみを
飲み込みきれず

甘えた空を見ている



道標は
血と汗の染み付いた
誇りまみれの栄光


手を触れかけて

少年はきびすを返した



身の危険より
好奇心

忠誠心より
躍動感


求めた花が
見つかった時の
感涙の染み込んだ
外套を羽織り

風にさらされながら

行けば砂まみれ
止まれば吹き出す汗

振り返れば
息を止めた風景


鼓動に尋ねた
明日のモンタージュ


それは
どうやら
この道の先に
あるらしい



いつも
守られながら
生きて

生きたといえないことを
遥かの昔から
感じながら


自由にならない
両手両足
頭と
一挙手一投足



ザクザク
砂利道を踏む靴底だけが



確かなる
感触を胸に伝える



青年は
無邪気に笑おうとして
引きつった頬に気付いた


自ら創り出したように
見せかけてくれる世界で

自分は
創られていくものだと
思い出しながら


指先に唾をつけ

孤独にかざした
風の路傍で

今また
腰を上げて



包む世界との
対話を始めるところだ


他愛ない
日常のやり取りとして

照れ笑いの中へ
葬るのか

偶然として
そっとしまうのか



それよりも
神と呼ばれる
その一瞬を

偉大なるゲームの号砲と
捉えた方が



この人生は
格段に面白い


そう
神とは
厳かであってはならない


面白おかしく
いつも
人間味に溢れ



寄り添うもので
あるのが定石なのだ



神は
人が思うより
遊んで暮らしている

人は
神が願うより
遊ばずに生きている


そんなことに
ふと気付く時
訪れるもの


新しい毎日が
ふっと
影を無くしたように


この肩に
舞い降りて
魂の肌が
繰り返し
さすられる感覚

膨大な数の
蔵書の中から

とある本棚の
一冊を手に取り 開く

あるそれは
論理に刺激を

またあるそれは
全身にぶわっと
鳥肌を立たせる


小綺麗に
解決の術を
求めた本からは
微塵も感じない

未来からのシグナル



それが
鳥肌からの伝令


その仰せに
従う限り

この戦場に
一滴の血も
流れることは
ありはしないのだ


そうして生きていくことを
参謀が
全兵に告げ始めている



彼曰く

全兵に告ぐ


闘わない選択を


闘わない選択を


誰とも闘わない選択を