「風邪ひいても知らないよ!」
と、娘にいった。
ところで、これはどういう意味なんだろう。

「落ちても知らない」
「怪我しても知らない」
「焼けどしても知らない」
「切っても知らない」

なにかネガティブな働きに対して、知らないという。
いや、知っているはずである。
知っているからこそ、こうして警告しているのだ。
ん?警告?
たしかにこのセリフを言う時は、警告だ。

風邪をひかないで欲しいと思っている。
そのままだと、風邪を引くかもしれない。
だから何とかして欲しい。
ところが、言う事を聞かない。
何とかして欲しいと手をうったけど、それを無視されてしまった。
だから、
「風邪ひいても知らない」
などという。

いや、知ってるだろっ!
知らないってなんだ。
どういう事だ?
無視するという事か?!
相手に対し、

「実際に風邪をひいても無視するぞ!」

という警告なのか。
本当に無視できるのか?!
いや、できない。
看病するはず。
だとすると、警告ではなく脅しだ。
風邪を引く恐怖以上に、無視する恐怖を与えようとしているのだ。
この二重螺旋の様な恐怖のスパイラルから逃れる為には、言う事をきくしかない。
そういう恐ろしい言葉なのだ。