古市憲寿 著 『平成くん、さようなら』 | 国道179号沿線住民とっ散らかりブログ

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撮影地:若桜鉄道、八頭高校前~因幡船岡駅間


氏の処女作にして、直木賞ノミネートされるも残念にも落選した本作。
図書館でたまたま見つけて、200ページ以下でしたので数時間あれば読めるかなと気軽に借りてきた。
最初に読んだ感想を述べますが正直、読んでて不快になってく、というのも・・・

時代設定は現在で書かれてますが、現実を一つだけ違うこと、安楽死が認められ
かんたんなカウセリングを受けて認められれば安楽死ができるというもの。
下の名前が平成(ひとなり)と付き合ってる女性「愛」が「へいせいくん」と呼び
彼女の愛の目線でストーリーは進んでいくのだが、この平成くんは若いのに安楽死を望んでる。
だが決して理由は明かさないもどかしさ、数ある安楽死の方法を取材と称して渡り歩く
彼女からすれば気が気じゃない。

不快に感じた1つめ、1ページの書き出しからいきなり性描写。
安楽死を考えてることと関連があるのか、平成くんがとにかくHをしたがらない。
その欲求不満解消のためのセックストイがゴロゴロと部屋に転がってる。
それもまた彼公認のもの。
で、平成くんのキャラクターが著者そのもののように描かれてる。
人を不快にさせる言動と思考などは、古市憲寿そのもの。

一番不快だったシーン、読んでてホンマ「イラッ!」とした場所が
彼女とは半同棲、「ミライ」という名前のネコを飼ってるのだが、かなりの高齢で平均寿命はとうに超え
獣医に診てもらったら末期のリンパ腫でしたっけ?
自宅で看取ることを決意、甲斐甲斐しく世話をするのだがそれでも日に日に弱っていく。
明日をもしれないほど衰弱、今日が峠かと思うほどの状態ながら運悪くその日一日
仕事で遠くに出かけなければならず、平成くんに世話を頼むのだが、昼以降
いくら連絡をとっても繋がらない。
これはただごとではないと仕事を切り上げとんぼ返り、するとミライも平成くんもいない。
しばらくして平成くんが帰宅する「ミライは?」と問うと、小さくて白い骨壷を差し出し、
まさかと思い、問い詰めると「これがミライです」と悪びれもせず平成くん。
紙上の彼女同様、ここでは我を忘れてイライラも頂点に。

ミライを看てたら急に苦しみだして、主治医のところに連れて行こうかとも考えたが
遠くてそこまでもたないかもしれない。
苦しんで姿を見てるのも不憫に感じ、最寄りの動物病院で安楽死を施してもらい
死ぬと急激に腐敗が進み、死臭に耐えきれないと潔癖症の平成くん(ここも本人そのもの)
すかさず火葬して骨壷に。
ここまで一切、飼い主の彼女に相談しないまま、独断で勝手に事を進めた平成くん。
これもまた古市憲寿氏なら、やりかねないと感じた。
全てが合理的にしか考えず、人の気持ちなんでどこ吹く風のような態度と行動。
人を苛つかさせるには十分、マジで読み進めていくと不快の2文字しか出てこない。

後半になって、やっと安楽死を考えた理由が本人の口から明かされるのだが
ネタバレになるので伏せておきますが結局、平成くんが安楽死を選択したのか否かは
あやふやで、読みようによってはどちらでも取れるような結末に。
よって、読み進んで不快になり読了するとモヤモヤが残るという、なんともまあ・・・(-∧-)



最後に、安楽死に対しての私の見解、考えは、
安楽死は反対かな・・・?
クスリを投与しての”ムリから死に至らしめるやり方”には反対ということでして
治療しても治らない状態では、治療もしないし点滴などの補給も、延命処置もしない『自然死』には大賛成。
モルヒネなどを使い、痛みや苦しみをコントロールしながら無痛状態で、徐々に弱っていき
黄泉に旅立つ手助けをするのが「自然死」
ただし、モルヒネも効かない苦痛に苛まれた場合の投薬による死は、本人の事前の同意により
その限りではない”特約ありき”での安楽死のみ認める。
というところでしょうか?
そしてこれは、多数の国民からの要望があれば即刻法制化すべきと考えるところです。m(_ _)m



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