池井戸潤 著 『アキラとあきら』 | 国道179号沿線住民とっ散らかりブログ

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池井戸潤原作の争奪戦激化にあった民放キー局の厳しい懐事情
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やっぱり池井戸潤は外さないね、面白かった~、(*゚▽゚*) 
文庫本で700ページあるのに一気に読んじゃった。
といっても一日じゃないけどね、さすがにいちにちじゃあね。

さっそく、WOWWOWでふたりのアキラ役で、向井理と斎藤工のW主演
7月に放送されてて、そろそろDVD化されてそうなので
面白い原作を読んだら、やっぱり観ないとね。(^-^)

父親が経営する零細の町工場が倒産して夜逃げして
不遇の時代を過ごした少年「瑛」
祖父が創業した東海郵船、なに不自由することなく育った御曹司「彰」
父の跡を継ぎたくないと飛び出し銀行へ就職、入行した同期で顔を
合わせ幼少期にすれ違ってはいるがその時はお互い覚えていない)
良きライバルとなった『瑛と彰』
東海郵船を飛び出したものの、父が死んだあと急速に傾いた会社を
立て直すため、否が応でも社長に就任、その社長・彰を助ける
同期の瑛、『陸王』ほどじゃないにしても、窮地に追い込まれて
からの復活劇は池井戸作品の王道といってもいい。
700ページの長編ながら引き込まれてあっという間の読了でした。

病床の父が息子・彰とやり取りする場面が特に印象に残ったので
丸々引用して終わりにします。


「純粋に経営を眺めている時は間違わないことでも余計な感情が
 そこに加わることによって良からぬ異方向へ向かってしまう。
 間違った道だということに気づかず、それが正しいと
 思いこんでしまう」

「お父さんは間違ったことはない?」 「あるさ」

「だが幸運なことに、最後まで気づかない間違いはほとんどなかった。
 冷静に見つめればどこかで、間違いに気づくものだ。
 渡しの場合は、間違ったと思ったら、すぐに引き返してきた」

「ところが、これが意外に難しい」

「なぜなら、そのときはすでに幾ばくかの投資がなされているからだ。
 やめるということは、投資の回収を諦めることを意味する。
 その回収額が大きければ大きいほど、やめるという決断は難しくなる
 ところが、継続すればさらにその損失は膨らむ。
 やめることが最善の策なのに、その決断ができない。
 損することで得することだってあるのにな」

「でも、やりようはあるんじゃないかな」

「大抵の場合、どこかに解決策があるんだよ。
 絶望的な状況こそ、経営者の真価が問われるんだ」

「間違ったっと思っても、実はどこかに解決策がどこかにある
 それを見つければ、間違いを正解に変えることが出来る
 だが、往々にして解決策を見つけることは難しい
 それを探しているうちにどんどん損失が膨らんで、後戻りできない
 ところまで来てしまう。
 間違いを見つけること自体が解決策なのに、それに気づかない
 こともある。これもまた間違いのひとつなんだよ」

 m(_ _)m