清水潔 著 『殺人犯はそこにいる』 | 国道179号沿線住民とっ散らかりブログ

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撮影地:若桜鉄道、八頭高校前~因幡船岡駅間

副題~隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件~

この本は分厚くて、340ページほどあります。
ドキュメントなのに推理小説みたいで面白かったです。
被害にあわれた親族に対して「面白い」というのも憚れそうですが
こういうもので興味を持つというのも啓発ということでも意味が
あると考えるのですが。

森友学園の件でもそうですが、役所ってトコは都合の悪いことは
何が何でも隠そうとし、そのための嘘や方便を駆使して
自分らを守るためならなんでもやる、恥も外聞もなしにです。(`Д´)

この本での軸は「足利事件」での冤罪・菅谷氏を中心に展開してまして
幼女ばかりが犠牲になった事件、79年から96年までで5件
栃木県で3件、群馬県で2件発生してますが、著者は全て同一犯とし
県境をまたいではいるがこの5件の発生場所、半径10km圏内に
収まり、パチンコ店から連れ去る手口など、類似点が多いからですが
両県警や検察はそうは見ていない、ナゼか?

(自分らの見立て違いからか)都合が悪いのである。
菅谷氏が収監されてからも一件、起きているからであり、冤罪の作り方
手口が詳細に述べられている。
本を読む前、私のこの事件をうっすらとは知っていて、無罪放免になって
釈放されたニュースも見てましたが、心のどっかに「とはいうものの」
とは思ってました。
思ってましたが、これを読んで疑いは晴れた。
菅谷氏『真っ白』です、速く犯人を捕まえたいがために警察が捏造した。
だいいち、自白とDNAしか証拠がない。
そのDNAだって当時、導入された直後で今とは精度が比べ物に
ならないほどのお粗末なものなのに、証拠として採用され
自白だって例えば、現場検証に行く「現場はココです」と供述すると
当然場所が違うわけです。
すると「現場はココやろがい!」と脅迫とも取れる罵声が飛んでくる。
そこと言わないと終わらないわけです、妥協して「そこです」と強要
されて写真を撮られ、証拠として採用される。

「自転車に乗せて~」と供述する、その一方で目撃者がいて言うには
「手を繋いで歩いて河川敷に降りてきた」と、真逆のような証言は
菅谷氏の供述と異なるのでヤミに葬られ、不採用となる。
一事が万事この調子、すべては思い込み「菅谷という犯人ありき」
ですから、何もかも寄せていってる、DNA識別もそう。
有罪率99.8%の裁判がすべてを物語っているみたいです。
裁判官は「検察がいうのだから間違いない」検察は検察で
「警察がいうのだから間違いない」という思い込み。
記者クラブという名の『互助会』と化し、警察を始め官庁などの
情報を疑いもせず鵜呑み、当然裏取りなどするわけない。

そうやって、捏造が作られる。
やっとのことでDNAの再鑑定、それだって科警研は間違いを
認めようともしない、ただ自分らの『ツマラン面子』を守るため
だけにだ。
冤罪となると、真犯人はどこかにいることになるものだが
もう警察には探す気力は残ってないどころか『探したくない』フシが
この事件にはあるみたいです。

同時期にもう一件、DNA鑑定で有罪を確定した『飯塚事件』があり
こちらはすでに死刑が執行されたあと。
そう、「DNA鑑定は間違いでした」とは口が裂けても言えない、
絶対に認めたくない事実があり、飛び火するのを恐れてこれ以上の
捜査を『したがらない』のである。
この飯塚事件も「本当にそうなのか、犯人か?」と思える捜査、
例えば、事件現場付近に停まってた犯人と思われる車の目撃情報
S字カーブ途中の狭い山道に停まっていた容疑車両、供述が
『詳細過ぎる』のである、数秒で通過しただけなのにである。
疑われるのは事件後、被疑者と思われる自宅に聞き込みに行った時
対象者の車を見た数日後、その捜査員が目撃者の調書を取っている
現実、捜査員が吹き込んだとも思えること細かい供述。

決定的なのはDNA写真、捏造された形跡が見つかったこと。
それも刑が執行されたあと、都合の悪い部分の写真が切り取られて
いて、あたかも現場のDNAと一致『させよう』と腐心した形跡。

さあどうする? \(*`∧´)/

そして興味がそそられるのは、著者が裏取りをしている最中
「手を繋いで歩いて河川敷に降りてきた」とボツにされた目撃者
の供述を再検証していくうちに、その時の犯人と思われる
ヒョロ高い風体から『ルパン』と呼ぶ重要人物に行き着いた。
そして、足利事件の犯人のDNAと高い確率で一致したという
驚愕の事実! ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

著者はこの『ルパン』が一連の連続幼女誘拐殺人事件の犯人だと
しているものの、警察は捜査をしようともしないことに
苛立っている。
そう、「真犯人はまだ娑婆のどこかに息を潜めて潜伏」している
ことを、恐ろしいとは思わないのだろうか?

もう一度いう、ノンフィクションながら推理小説のように
面白い一冊、340ページと長丁場ですが、読んで損はないと
思います。m(_ _)m