悲しき哉、NHK!
NHKを退職して32年経った。
長年世話になった職場だから、今まであまり悪口は言わないと
決めてきたが、あえて愛するNHKへ遺言を残すことにした。
在籍時代、ロッキード事件で逮捕された田中角栄・元首相を
見舞ったNHK会長の行動が問題になり、署名を集めて会長を
辞任に追い込んだあの時、NHKには放送文化への熱い思いと
政治からの自立という強い意志が確かにあったと思う。
しかし、今のNHKはどうか。
放送内容について会長は記者会見で
「日本政府とかけ離れたものであってはならない」と言って
いるが、この姿勢が今のNHKを端的に象徴している。
会長も経営委員長も時の政権寄り。
外国メディアから「国営放送化しているのでは?」と
批判されるのも当然だろう。
ニュース番組で政府広報そのままの政治部の女性記者の解説を
聞く度に心が重くなる。
これならいっそのこと受信料制度という民主的制度など止めて
税金で賄う国営放送にしたらいい。
私がNHKにいた頃、視聴率などというものが話題になる
ことは殆どなかった。
良質の番組を、というのが共通の願いだったからだ。
それがいつからか民放の下手な猿マネ局になり下がってしまった。
視聴率と受信料確保のために若者に迎合したのか、俳優やタレント
を多用し、民放が使い古した手法を恥ずかしげもなく真似ている。
何とも惨めである。青臭くてもいい。
製作者たちよ、もう一度「放送を文化に」と呟いてほしい。
最後にお願い。
夜7時のニュース、冒頭の男女のアナウンサーが示し合わせた
ようにお辞儀をし、顔を上げてから声を合わせて「こんばんは」と
いうのは止めてもらえないものなのか。
予定調和の極致で気味が悪い。
m(_ _)m