百田尚樹 著 『プリズム』 | 国道179号沿線住民とっ散らかりブログ

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楽器もできない音楽好きのおっさんが
中坊並みの文章力で書いてるブログ。
撮影地:若桜鉄道、八頭高校前~因幡船岡駅間


子供のいない主婦・聡子が、家庭教師の派遣に登録
派遣先が小田急沿線、世田谷の庭付き一戸建てのどうみても富裕層。
立派な庭で出会った一人の風変わりな男。
なにが風変わりかというと、会うたびに印象が違う。
まるで同一人物ながら、人格そのものが違うというか
そのことを家族に尋ねると変な空気に。
触れてはいけないと思いつつ、彼(広志)に惹かれるように話を聞くと
解離性同一性障害(多重人格)だと打ち明ける。
にわか信じられない話だが、通院しているという精神科の医師にも
話を聞くと本当らしい。
12人の人格から5人にまで統合し、最後は一人にまで統合できると完治。
原因は幼少時、亡父と腹違いの兄から執拗に受けた虐待。
その辛い現実から逃れるために、自分とは違う人格を作り出していった結果
12人にまで膨れ上がったのだそう。

その兄(教え子の父)から、襲われそうになった時、間一髪助けてもらった
のが、広志ではなく別人格だった。
その5人の人格のうちの一人・卓也にだんだんと惹かれていく聡子
最後の一線を踏み越え、不倫の関係になるもますます引かれていく聡子だが
卓也自体、いずれは広志に統合されて消滅してしまう運命
完治には拓也の消滅が条件だが、それを受け入れられなくなる聡子と
統合されることを運命を受け入れた拓也の葛藤を描くところが
クライマックスなのだろうが、どうも感情移入するまではいかなかったなあ。

なんだろう、「女性」を主人公に描くとちょっと質が落ちるのかなあ。
でも「モンスター」は割と好きな作品だったが、それと比べるとねえ?
性の描き方に問題があるのか・・展開に無理があるのか・・・

「海賊とよばれた男」や「影法師」と比べると落ちるのは
間違いなかったですね。