![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151223/21/simatoramike/7a/ac/p/o0320024013519644092.png?caw=800)
こんばんわ、9月ネコです。
今年のクリスマスは、大きなお城と小さなお家の、
クリスマスの国に来ています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151223/21/simatoramike/48/38/p/o0320024013519645983.png?caw=800)
小さなお家が建ち並ぶ広場には、小さなツリーがかわいいな。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151223/21/simatoramike/f7/91/p/o0320024013519648301.png?caw=800)
きらきらふわふわの景色は、なんだか夢のなかにいるみたい、、
ずっと、ふんわり気分でいたいのに、
仲良し双子のペンギンさんが、双子けんかを始めちゃったんです。
ペンギンさん、なんでふたりはおこっているの?
ぼくがクリスマスの国はきれいだね、、って言ったんだ。
ぼくもクリスマスの国はきれいだね、、って言ったんだ。
同じことを言うのはマネだよ、、って言ったんだ。
同じことを言ってもマネしてないよ、、って言ったんだ。
マネをするなら、もうおしゃべりなんてしないよ、、って言ったんだ。
マネしてないけど、もうおしゃべりなんてしないよ、、って言ったんだ。
それからペンギンさんは、ふたりで知らんぷり。
ペンギンさん、ケンカはダメだよ。
、、様子を見ていたシロクマくんが言いました。
ふたりを注意してくれたんだね、ありがとう。
そう、お礼を言ったのに、シロクマくんは “ あれ? ” みたいな顔をして、
ふぅん、、そんなつもりはないけどさ、
今日はオーロラが見えるだろう?
オーロラが出ている夜に、ケンカはダメだと思ったんだ。
それはちょっと気になる言い方です。
シロクマくん、オーロラには何か特別な意味があるの?
本当に ネコさんは知らないの?
オーロラは、神様のカーテンなんだよ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151223/21/simatoramike/ff/e9/p/o0320024013519653801.png?caw=800)
、、神様のカーテン。
そう答えてから、だまってしまったシロクマくんは、
みんなの反応を待っているみたいです。
シロクマくん、新しいお話があるんだね?
きっと、またウソのお話だよ。
うん、またウソのお話だよ。
シロクマくんのすぐそばで、ペンギンさんがささやき合っています。
あれ、、 ふたりはもう仲直りしたのかな?
ペンギンさん、なにか言った?
シロクマくんがたずねると、
ペンギンさんはあわてて、ふたりでまた知らんぷり。
その様子がおかしくて、シロクマくんはすこし笑ってしまいました。
、、まぁ、いいかぁ。
双子のペンギンと、神様のカーテンのお話、、
みんなは聞きたい?
銀色オオカミさんは静かにお話が始まるのを待っています。
ペンギンさんは、もうワクワク、ソワソワ、
、私もドキドキ、、 今日はどんな不思議を聞けるのかなぁ。
むかし、むかしのお話さ。
シロクマくんの声がいつもよりずっと低くなって、、
ゆっくりと扉を開くみたいに、お話は始まりました。
氷の海の氷の家に、双子のペンギンが住んでいました。
ひとりはミギ、もうひとりはヒダリという名前です。
双子はとっても仲良しなんだけど、
いつも一緒にいるから、けんかもしました。
、、どっちが朝、はやく起きたとか、
、、一緒に焼いたパンケーキの、どっちがおいしかったとか、、、
最初は小さな言い合いが、そのうち本当のけんかになって、
双子は氷の家を飛び出します。
、、氷の海にはね、双子のほかに住んでいる人は誰もいないんだ。
誰も双子のけんかを止めてくれない、、
氷の海とあおい空。 ふたりぽっちのペンギンさん。
まるで絵を見るみたいに想像した景色は、
とてもきれいだけれど、すこしさみしそう。
それからふたりはどうしたのかな、、
氷の家を飛び出した双子は、右と左に分かれて10歩ずつ歩いた。
それから空を見上げると、
ふたりで同じように、大きな声でさけんだんだ。
「 神様、神様、、聞いてくださーい!! 」
けんかの原因を、
ミギはヒダリが悪いと言って、ヒダリはミギが悪いと言った。
それからお互いの悪口を言い続けて、
それに疲れたら、氷の家に戻った。
お空の神様は、双子に何も答えてはくれなかったけれど、
( 神様はどっちが悪いのかわかってる )
ミギもヒダリも、そう思っていたんだ。
お話を聞きながら、私は思います。
こういうのって、、どっちが悪いとか決められるのかな?
ぼくは、けんかは良くないと思うな。
ぼくも、けんかは良くないと思うな。
ミギとヒダリじゃない方の、、双子のペンギンさんも言いました。
ペンギンさん。 ふぅん、さっきのあれは何だったのかな?
シロクマくんは少しあきれたみたいに言ってから、
またお話に戻ります。
双子のミギとヒダリは、
ある日も小さな言い合いからけんかになってね。
でもその日のけんかは、いつまでたっても終わらなかったんだ。
空に向かって、お互いの悪口を言うと、
頭の中では、いやなことばかり思い出す。
あおいお空がゆうやけ空に変わったことにも気がつかないで、
双子は悪口を言い続けた。 夜になって、、
見上げていたその夜の空は、
いつもとは全然違うことに、双子はやっと気がついたんだ。
、、ところでネコさん。 空には誰が住んでいると思う?
え? え、、
いきなり質問されて、びっくりしたけど、
お空に誰かが住んでいるとすれば、
そのひとは、、神様、だと思うわ。
そう答えると、シロクマくんも納得したようにうなずきました。
うん、双子もね、そう思っていた。
だから神様に話を聞いてほしい時は、
空を見上げて大きな声で言ったんだ。
でもね、その夜。 双子が見上げた空には、、
きらきら輝く星たちといっしょに、
ゆらゆら揺れる、光のカーテンが、空いっぱいに広がっていたんだ。
びっくりした双子はお互いに10歩ずつ歩いて、
ふたり向き合って、お互いのつばさをつないだ。
(、、 お空のカーテンが閉まっている、、、)
双子はそう思った。
カーテンを閉めるのは、その家のひとがどこかにお出かけする時だ。
お空に住んでいるひとは神様だから、
神様は、今、この空にはいないんだ。
、、そう思ったんだ。
、、神様のカーテン。
シロクマくん、神様はもしかして、
双子のことをおこって、どこかに行ってしまったの?
ネコさん、双子もそのことを一番心配したんだよ。
自分たちがいつまでたっても、けんかをやめようとしないから、、
神様はどこかに行ってしまった。
神様がいない空には、もう朝も来ないかも知れない、、
、、どうしよう、どうしよう、、
双子は氷の家の中で寄りそって、眠れないまま朝をむかえた。
あたりが明るくなってくると、おそるおそる外に出て、、
見上げた空はいつもと同じ、きれいな青で、
太陽の光をあびた氷の海は、
いつもよりずっときらきら輝いて見えた。
双子はほっと、、お互いのおでこをくっつけて思った。
( 今日のお空には神様がいる )
わぁい、良かった。 神様は帰ってきたんだ!
良かった。神様は帰ってきたんだ!!
くるくる踊りながらつばさを振るペンギンさん。
シロクマくんはちょっと驚いて、
ペンギンさん、よろこびすぎ、、 まぁいいけど。
と、少し照れているみたい。
そしてお話は続きます。
そんなことがあって、双子はもうあまりけんかはしなくなったけれど、
気をつけてみると、双子が仲良くすごした日でも、
お空のカーテンが閉まる夜がある。
、、神様はどこにお出かけしているんだろう。
よくはわからないけれど、
神様はとても忙しいんだ。 それはわかった気がした。
、、それからの双子は、ね。
神様のカーテン、、そうオーロラが出ている夜は、
ふたりでいて楽しいことを、いっぱい話し合うことにした。
とても忙しい神様を困らせないように、
もうけんかはしません。 そう約束したんだよ。
うわぁ、ねぇペンギンさん。
今日のシロクマくんのお話は、すごく長かったけれど、
すごくおもしろかったねぇ。
そうペンギンさんに話しかけたけれど、
ペンギンさんはお互いに向かい合って、なんだかもじもじしています。
、、どうしたのかな?
あのね、さっきはごめんね。
いつもいっしょにいてくれて、、ありがとう。
ううん、ぼくもごめんね。
いつもいっしょにいてくれて、、ありがとう。
良かったぁ、ふたりも仲直りしたんだね。
、、でも、ねぇシロクマくん。
オーロラが出ている夜、、
神様はどこにお出かけしているのかなぁ。
、、シロクマくんだって、それは知らないと思ったけれど、
ひとりごとのつもりが、つい声にでちゃったんです。
するとシロクマくんは、手の平を空に向けて、
“あ~あ” と、わざとらしいため息をひとつつきました。
わかってないなぁ、ネコさんは。
何がわかってないのよ? と、言い返したかったけれど、
それはがまんしたんです。
そしてシロクマくんがそのあとに続けた言葉は、
私の想像をはるかにこえるものでした。
あのね、神様が出かけて行かなきゃならないくらい、
困っているひとが、どこかにいる、、って、ことなんだよ。
だからね、オーロラが出ている夜は、言い方を変えると、、
言い方を変えると、、?
シロクマくんの言葉を繰り返しました。
オーロラが出ている夜は、
どこかで誰かが、神様に守られている夜なのさ。
、、、、、、、、
今日のシロクマくんは、なんだかシロクマくんらしくない。
そう、言いたかったけれど、うまく言葉が出てきません。
みんなの気持ちを全部わかったみたいに、
銀色オオカミさんが言いました。
シロクマくん、メリークリスマス。
シロクマくんも少し照れて、笑って言いました。
へへ、、メリークリスマス。
わぁい、メリークリスマス!
うんうん、わぁい、メリークリスマス!!
メリークリスマス。
みんな、すごくうれしそう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151223/21/simatoramike/42/7c/p/o0320024013519650745.png?caw=800)
、、クリスマスの聖なる夜。
みんながふんわり、、優しい気持ちに包まれますように、、
( 2015年12月27日に投稿したお話です。
少し書き直したところもあります)
☆~ ☆~ ☆~
メリークリスマス、9月ネコです。
今日のお話はいかがでしたでしょうか?
シロクマくんのお話はもう少し続きますが、
それはまた後日、、
とても長い書き込みを、
ここまで読んで下さいました、あなたへ、
ありがとうございました。