映画をチョイスするときのいちばんのポイントは
馴染みのない場所が舞台であること。 一般庶民が主人公なら尚良し。
この映画はドンピシャです。
時間をやりくりして 絶対みるぞ! と、待ち構えてました。
そして 期待以上の素晴らしさでした。

モロッコの旧市街の町並み。
静かな工房。
ひそやかな祈り。
タジン鍋のお料理。(一時わたしもはまった)
美しいカフタンと 普段履きのバブーシュ。
正直に真っ当に生きようとする人たち。
…もう、背景だけでもすばらしい。

病も夫のセクシャリティも受け入れるミアを 聖人君子にしていないのがいい。
弱っていく様子も 映画にありがちのすっ飛ばしでなく丁寧に描いている。
ハリムのミアへの感謝と献身。
着替えの介助で下着を手伝うのに寝巻きを替えるのは
頼まれるまでしないという二人の心情の表し方、染み入る。
泣かせよう演出がなくても感動的だ。

ハリムと弟子が公衆浴場で 
サウナでしわしわになった指をそっと触れ合わせるのが…ウウウ
(ハッテン場になってるのは驚いた)

とにかく、いい映画です。おすすめです。