トランスジェンダーの若者が主人公だけど
恋愛要素は少なく 思春期の葛藤とバレエの映画です。
父親もカウンセラーも医師も 親戚も
ララの希望を尊重して 温かく見守ってくれる。
でも 彼女の焦り プレッシャーは 高まるばかり。
穏やかに微笑んで 「大丈夫」を繰り返すけど
ぜんぜん大丈夫じゃない。
心配しすぎる父親をウザがるのは 16歳らしい。
2年後までオペを待っていたら どんどん男の体になって
バレリーナとしてはやっていけないし
体が大きくなれば ダメだから 食事も減らしてるだろうし
テーピングも痛いし そのせいで トイレにも行けないので
練習が終わるまで 水も飲めないし
もう 大変すぎる。
彼女の無口さ、低い声になっているのを
自分でも聞きたくなかったのでは。
必死のレッスンシーン 淡々とララを追っていくのが
とてもよかった。
プールなどで女子の体をカメラが追うのは ララの視線なのかな。
ホームルームで担任が 「ララが女子更衣室を使うことについて」
尋ねる場面は 今SNSで論争になっていることで ぎょっとした。
大人からすると 「焦らないで、2年待って」と思うけど
ララにとっては 『今 この時』が 全て。
トゥシューズは「何年もかけて 足を鍛えていく」ものなのに
『短時間で こうあるべき という自分の理想にはめようと』
する ララが 痛々しかった。
思い切った行動だったけど、ラストに スッキリした様子で
よかった。