ツーンとした真冬の空気のような静謐さ。
静かな街の 若く美しい2人と 特攻兵幽霊。
少女マンガみたいという人がいるかもしれないけど 
私が映画に求めているのは こういう雰囲気かもしれない。
(最近 歳のせいか 大きな音がガンガンドンドンする映画が苦手)

難病物なんだけど 決して泣かせようとしてないし、登場人物もそれぞれの立場で
運命と折り合いをつけようとしている。
葛藤を画面で説明しなくても それを観客に読み取らせて。
ガス・ヴァン・サントは ナイーブな少年を撮る 好きな監督です。

2人の レトロな衣装がとても素敵で、特に男の子のコートと、女の子の真っ赤な手袋。
ミア・ワシコウスカのショートカットも すごくかわいい。
…それは 病気と関係があるんだけど。
ヘンリー・ホッパーって 苗字と頭の鉢の具合で すぐに
デニス・ホッパーの息子ってわかる。

加瀬亮の日本人っぽいルックスがよい。
兄貴ぶったり アナベルに軽く嫉妬したり、はまり役。
手紙の美しい文章に ぐっときましたよ。

死を受け入れ 最期の時を噛み締めるアナベルの美しさと
告別式で 楽しかった日々を思うイーノックの笑顔。

何度もみたい映画です。