柔と耕作(松田)の新婚日記 25日目 (午前編第1部)
文書量(文字数)が膨大な為、一日7分割で表記しています。
帰国二十五日目。 柔と耕作の長い長い一日(二十五日目)
耕作は頬に温もりを感じて目が覚めた。
柔「あっ、ごめんね~。」
柔「また起こしちゃったね。」
耕作「いや、何時も言ってるけど、謝らなくて良いから。」
耕作「それより何で顔をくっ付けてるの?」
柔「あのね~、あなたの寝息を良く聞こうと思ったからなの~。」
耕作「そんな事をしなくても耳を近付ければ聞こえるんじゃない?」
柔「そうなんだけど~、スキンシップよ~、スキンシップ~。」
耕作「そうなのか、君がそうしたかったんなら別に良いよ。」
耕作「それより最近やたらスキンシップしたがるね?」
柔「そうかな?」
耕作「そう思わない?手を繋いだり腕を組んだりしてるし。」
柔「それだけあなたの事を身近に感じたいのよ~。」
柔「駄目?」
耕作「そんな事は無いよ?俺としても嬉しい限りだから。」
柔「良かった~、あなたも喜んでるなら良いのね。」
耕作「ただ・・。」
柔「分かってま~す、どこでもはしませんよ~。」
耕作「それが分かってるなら構わないよ。」
柔「ところで、起こしちゃって言うのもなんだけど、起きる?」
耕作「勿論さ・・。」
柔「あたしを見ていたいから?」
耕作「ふふ、もう君も分かってるね。」
柔が耕作の顔から自分の顔を離すと机の傍に行きお茶を注いでコーヒーを淹れる間に耕作は
起き上がってベッドに座った。
柔は耕作にコーヒーを渡しながら軽くキスをして寄り添って座った。
柔「おはよう~。」
耕作「おはよう、それと目覚めのキスとコーヒーありがとね。」
柔「うふ、どう致しまして~。」
耕作「確認なんだけど、今朝も昨日までと同じトレーニングだったの?」
柔「ちょっとだけ変えてみたよ。」
耕作「ほ~、どんな風に変えたの?」
柔「えっとね、スクワットのバリエーションを少しだけ増やしてみたの。」
耕作「なるほど、下半身強化を増やしたのか。」
耕作「・・・、もしかして、出産に備えてとかじゃないよね?」
柔「やだな~、それを考えるのは、まだ早過ぎるよ~。」
耕作「それもそうか、まだ確定して無かったんだった。」
柔「出産に臨む際の運動はどうすれば良いかを桜おねえちゃんに聞いてからするつもりだよ。」
耕作「その方が確実そうだね。」
柔「あっ、そうだった、昨日はごめんね~。」
耕作「何で謝るの?」
柔「え~っと~、起きた時にまた・・。」
耕作「また?どうかしたの?」
柔「あたなの・・、あそこが・・。」
耕作「あ~、分かった、それ以上は言わなくて良いから。」
耕作「その事と君が謝る事に何か関係が有るの?」
柔「だって~、昨日、何時も以上にあたしに触って貰ってたじゃない?」
耕作「なるほど、そう言う事か。」
耕作「でも、昨日の事とは関係無いと思うよ。」
柔「そうなの?」
耕作「あっ、君に魅力が無いとかいう事じゃ無いからね。」
柔「うふ、そんな事は思って無いよ。」
耕作「そう言うのとは関係無くそうなるって以前言わなかったっけ?」
柔「・・・、聞いた様な気がするかも。」
耕作「そう言う事だから、君が謝る事は無いよ。」
柔「それなら良いんだけど・・。」
柔「・・・、あ~、思い出した~、あなたが健康な証拠って事だったね。」
耕作「そうそう、だから仕方ないんだよ。」
柔「ね~、聞いても良い?」
耕作「そうなる事に関してみたいだね。」
柔「察しが良くて助かるな~。」
耕作「何が聞きたいの?」
柔「以前、聞いたかもしれないんだけど~。」
耕作「良いさ、何度でも聞いて構わないよ。」
柔「ありがとう~。」
柔「あのね?ああなってる時って、あなたは寝てても分かるものなの?」
耕作「さすがに寝てるから俺には分からないよ。」
柔「そうなんだ、ほんとに不思議だよね~。」
耕作「まさか、それで君が起きたとかじゃないよね?」
柔「ううん、違うよ、あなたがそうなる前に起きてたから。」
耕作「そうか、それなら良かった。」
耕作「また、俺の所為で起こしちゃったら悪いから。」
柔「うふ、あたしはそれで起こされても平気だけどね。」
耕作「これこれ、乙女がそんな事を言っちゃ駄目でしょう?」
柔「そうだった、恥じらいを持たないといけないのよね?」
耕作「そう、それを忘れない様に。」
柔「は~い、覚えておきま~す。」
柔「しかし、あなた?あんなになってて辛く無いの?」
耕作「いや、さっき言った通り、寝てるから辛いとかも感じないよ。」
柔「そう?それなら良いんだけど・・。」
耕作「あんなになってるからと言って、その気になってる訳じゃないんだからね。」
柔「あは、あたしが言おうとした事が良く分かったね~。」
耕作「ふふ、それは・・、以心伝心だから。」
柔「そうだったね。」
柔「でも、あたしもそれは分かってま~す。」
柔「以前、あなたから聞いた気がするし。」
耕作「って事は、分かってて敢えて聞こうとしたんだね?」
柔「ううん、分かってたからこそ聞くのを止めたのよ。」
耕作「確かに、言葉にはして無かったね。」
耕作「話は変わるけど、検査って土曜日に行くんだよね?」
柔「そのつもりよ、日曜はやって無いだろうから。」
耕作「事前に連絡とかして無くても良いのかな?」
柔「この前行った時間帯なら大丈夫じゃない?」
耕作「あ~、確かに、あの時間なら誰も居なかったか。」
耕作「でも、確認の意味でも一度連絡してた方が良いと思うよ。」
柔「分かった~、あなたがそう言うなら前日に連絡する様にしておくね。」
耕作「その方が桜さんも安心するだろうし。」
耕作「ところで今日の練習って少し変えるんだよね?」
柔「そうだよ、昨日そう言わなかった?」
耕作「聞いた気もするけど、一応確認したかったんだ。」
柔「そうなのね。」
耕作「どう変えるかは、もう決めてるんだよね?」
柔「まだだよ。」
耕作「え?何時考えるつもり?」
柔「やだな~、あたしが今までどうやってたか忘れちゃったの~?」
耕作「・・・、あっ、そうか、思い付きでやってた方が多かったんだった。」
柔「そう言う事でございますわよ。」
耕作「もしかして、俺にも考えさせようとしてない?」
柔「あは、バレちゃったか~。」
耕作「今迄、君が丁寧な言葉遣いをした時って大体そうだったからね。」
柔「出来れば一緒に考えて欲しいかな~って。」
耕作「分かったよ、一緒に考えるから。」
耕作「寝技が不十分とか昨日言ってたけど、それを重点的にするつもりなの?」
柔「それも或る程度はしないといけないかな~。」
耕作「他には技の速さを~とか言ってたね。」
柔「それもしないといけないのよね。」
耕作「速さを上げる為のトレーニングをするって訳だね?」
柔「それも昨日言った様な気が・・。」
柔「でも、やっぱり、あなたって、ほんとにコーチに向いてるって改めて思うな~。」
耕作「そうなんだろうけど、それは君に限定させて貰うよ。」
耕作「他の人をコーチするなんて烏滸がまし過ぎるし。」
耕作「それに俺にとって一番大事なのは君なんだから。」
耕作「君以外のコーチをしようとは思って無いよ。」
柔は急に耕作に抱き付いた。
耕作「びっくりした~。」
耕作「それに危なかった、コーヒーが入ってたら零れてたよ。」
柔「そこはちゃんと確認してたから。」
耕作「急にどうしたの?」
柔「あなたに今言われた事で凄く嬉しかったから。」
耕作「当然の事を言っただけなんだけど。」
柔「その当然の事を言葉にして言って貰うのって、あたしからすると嬉しい事なの。」
耕作「あ~、そう言う事か、それは俺も同じかな。」
柔「あなた、ありがとう~。」
耕作「俺は君の為に何かする事を喜びにしてるから。」
柔「あは、それはあたしも同じだよ、前から言ってたと思うけど。」
耕作「そう言ってたね、俺が喜ぶ事は何でもするって。」
柔「実際、何でもした気がする。」
耕作「そうだったね。」
柔「夜に愛し合う時もね~。」
耕作「あっ、その事なんだけど・・。」
柔「その事って?」
耕作「やっぱり、止めとくよ、朝っぱらから言わない方が良いと思うから。」
柔「え~、別に良いじゃな~い。」
耕作「そうかい?」
柔「言わない方が凄く気になるんだけど~。」
耕作「仕方ないな。」
柔「何々?どんな事?」
耕作「君が・・その・・俺のを・・。」
柔「あ~、分かった。」
耕作「はい、それ以上言ったら駄目だよ。」
柔「言いませんよ~だ。」
柔「あなたにまた乙女云々言われたくないも~ん。」
耕作「ふふ、そうか、偉い偉い。」
柔「それで、あれがどうしたの?」
耕作「あれで暈してきたか。」
柔「今ので分かるよね?」
耕作「勿論さ。」
耕作「あれは今後は止めて欲しいかな~って思うんだ。」
柔「何で?」
耕作「何かさ、見てて心苦しかったんだ。」
柔「あたしがあんな事をしてるのを見てたらって事?」
耕作「そうなんだ、だからこれからは止めて欲しいと思ってたんだよ。」
柔「分かった、あなたがそう言うならもうしないね。」
柔「手でする分は良いのよね?」
耕作「こらこら、それを言ったら何をするか分かってしまうでしょう?」
柔「あは、ごめんね~、つい言ってしまちゃった~。」
柔「で、どうなの?」
耕作「ほんとに、君は~。」
耕作「手でするって、洗う時もしてるからやっても構わないけど。」
耕作「あまり積極的にはして欲しく無いかな~。」
柔「乙女としてどうよって事になるからよね?」
耕作「さすが、言わなくても分かってるね。」
柔「あなたに言われた時だけにするね。」
柔「以前もあなたに言われた時はやった気がするし。」
耕作「良く覚えてるな~。」
柔「それはね~。」
柔「初めての時じゃ無かったから。」
耕作「余裕が有ったって事なの?」
柔「そうかも、お互いに気持ち良く~とか言った後だったからかもね。」
耕作「ごめんよ、朝っぱらからこんな話しちゃって。」
柔「気にして無いよ~。」
柔「だって、最初の頃は朝でも愛して貰ってたじゃない?」
耕作「それはそうだけど・・。」
耕作「まさか・・。」
柔「やだ~、そんな事言わないよ~。」
耕作「良く俺が言おうとした事が分かったね。」
柔「うふふ、以心伝心だし~。」
耕作「しまった、やり返されたか~。」
柔、耕作「あはは。」
柔「真面目なお話をすると・・。」
柔「今は大事な体だから、そう言う事は控えないとって思ってるから心配しないでね。」
耕作「そうだね、2人にとっても、とても大事な事だし。」
柔「だから、今度の金曜日も控えようと思ってるけど良いよね?」
耕作「勿論さ、その方が良いに決まってるよ。」
耕作「それにさすがに検査の前日とか不味いって思うし。」
柔「良かった~、あなたにそう言って貰えて。」
柔「万一、求められたらどうしよう~って思ってたの。」
耕作「いや、さっきも言ったけど、さすがに検査の前日にそんな事は出来ないよ。」
柔「うふ、あなた?」
柔は耕作を見詰めて目を瞑ると耕作は優しく長めのキスをした。
柔「はぁ~、素敵なキス、ありがとう~。」
耕作「君こそ、今の表情最高だったよ。」
柔「やっぱり、あなたと一緒になって良かった~。」
耕作「それは俺も同じさ、一緒になったのが君でほんとに良かったよ。」
柔「こんなにも大切にして貰ってるんだもん。」
耕作「俺もそうして貰ってるよ。」
柔「同じなんだね~。」
耕作「そうさ、2人で一つだから。」
耕作「そろそろ下に下りようか?」
柔「そうね、下で待ってた方が良さそうな時間ね。」
柔と耕作は抱擁を解いて立ち上がると耕作はポットを持ち、柔は急須を持った。
お互いが持っていたカップをそれぞれが持ったまま一緒に寄り添って下に下りて行った。
下に下りた2人は台所へ行くと耕作はポットを流しの横にカップを流しに置いて
テーブルの椅子に座った。
柔はカップ2つと急須を洗ってカップ2つを食器棚に直し急須に新しい茶葉を入れ
お茶を2杯注ぐと片方を耕作に渡しながら隣に座った。
耕作「ありがとね。」
柔「今日もお母さんに任せて、あたしはお手伝いだけするね。」
耕作「もしかして、この先そうなるから予行演習してるの?」
柔「さすがね~、そうだよ。」
柔「でも、ずっとじゃ無いよ、今週だけそうしてみようかな~って。」
耕作「なるほど、少しずつって事か。」
柔「うん、そうなった時に戸惑わない様にしたいから。」
耕作「良い考えだと思うよ、今のうちに慣れておくのは。」
柔「おかあさんに余り負担を掛けたくないのも有るしね。」
耕作「ふふ、君なりの親孝行って事か。」
柔「そうなの、全部任せると大変そうなんだもん。」
耕作「家事をやってた経験が有るから、そう思う事が出来るんだ。」
柔「そうかも。」
耕作「俺も何か協力したいけど・・。」
柔「あなたは良いわよ~。」
耕作「いや、そう言う訳にもいかないよ。」
柔「あなたは今迄やってた事だけで良いよ。」
耕作「食器を用意するのと食事を持って行くのだけって事?」
柔「うん、後片付けも手伝ってくれてるし、それで十分過ぎると思うよ。」
耕作「まあ、君がそう言うなら良いけど。」
耕作「でも、何かやって欲しい事が有ったら遠慮せずに言ってくれて良いよ。」
柔「うふ、あたし達の間で遠慮した事って有った?」
耕作「う~ん・・、色々有った様な気もするけど。」
柔「そうだった?」
柔「・・・、あっ、ここでは言えない事ね?」
耕作「そうそう、その時に有った気が。」
柔「だって、あれはあたしが何も知らな過ぎたからじゃない?」
耕作「そうなるのかな?」
柔「そうよ~、何も知らないんだから、遠慮のしようが無かったよ?」
耕作「それもそうか、君が言う通り、あの時はそう言う状況だったね。」
柔「その時以外では無いでしょう?」
耕作「言われてみれば、あの時以外は無かったか。」
柔「ほら~、あたしの言う事が正しかったじゃな~い。」
耕作「そうだね、君の言う通りだよ。」
玉緒がやって来た。
玉緒「2人とも、おはよう。」
柔「おはよう~、おかあさん。」
耕作「玉緒さん、おはよう。」
柔「今日もおかあさんにお願いして良い?」
玉緒「良いわよ。」
柔「あたしもお手伝いするから。」
玉緒「そう?お願いね。」
柔は立ち上がると玉緒と一緒に献立の相談を始めた。
耕作「(玉緒さんもひょっとして柔の意図を感じ取ってるのかな?)」
耕作「(柔の言う事に対して何も言わずに了承してるし。)」
耕作「(親子故の以心伝心って事か。)」
耕作「(張り合うつもりは無いけど、俺の方が柔の事は良く知ってるかも。)」
耕作「(多分、玉緒さんも知らない事も柔に話して貰ってる気がする。)」
耕作「(後、俺と柔の夫婦としての事もそうかな?)」
耕作「(さすがに柔も俺達の事は余り話さないだろうし、玉緒さんも聞かないだろう。)」
耕作「(おっと、そろそろ食器を用意しておくか。)」
耕作「柔?何を用意すれば良いの?」
柔「あっ、そうね、中位のお皿と小皿を4つずつと後は何時もので良いよ。」
耕作「分かった。」
耕作は立ち上がって食器棚へ行き言われた食器をテーブルの上に並べて置くと再び椅子に座った。
柔「あなた、ありがとう~。」
耕作「(今朝は簡単な料理みたいだな、何時も作ってる様な料理かな?)」
耕作「(しかし、相変わらず、2人とも手際が良いな。)」
耕作「(これぞ阿吽の呼吸って言うやつだな。)」
柔「出来たよ~。」
耕作「盛り付け終わったら持って行くよ。」
玉緒「お願いしますね。」
柔と玉緒はそれぞれ作った料理を皿に盛り付けしていきお椀と茶碗に手分けして味噌汁と
ご飯を注ぐとお盆に載せていった。
玉緒「それじゃあ、持って行きましょうか。」
柔「は~い。」
耕作「分かりました。」
柔達3人はそれぞれにお盆を持つと居間へ持って行った。
居間には滋悟朗がテレビを見て待っていた。
滋悟朗「皆、おはようさん。」
玉緒「おはようございます。」
柔「おじいちゃん、おはよう~。」
耕作「滋悟朗さん、おはよう。」
玉緒「直ぐに用意を済ませますから。」
滋悟朗「慌てんでも良いぞい。」
柔達3人はそれぞれに料理を座卓の上に並べて行って、それが終わると銘々の場所に座った。
滋悟朗「じゃあ、いただくとするかの。」
4人「いただきます。」
滋悟朗「今朝のは何時もの定番なんぢゃな。」
玉緒「偶にはこういうのも良いでしょう?」
滋悟朗「そうぢゃな、定番料理も良いもんぢゃ。」
柔「そうだ、おじいちゃん?」
滋悟朗「何ぢゃ?」
柔「おじいちゃん、午後は何か用事が有るの?」
滋悟朗「特に何か有る訳では無いぞ。」
柔「じゃあ~、西海大での合同練習に立ち会って貰えないかな?」
滋悟朗「儂が行ったら、祐天寺が迷惑がりそうぢゃが良いのか?」
柔「そんな事は無いと思うよ?」
柔「最近、祐天寺監督に会って無いでしょう?」
滋悟朗「そうぢゃな、お前の試合の時以降は有っておらんのう。」
柔「じゃあ、色々お話もあるでしょう?」
滋悟朗「話か?強いて挙げれば、富士子の事位ぢゃなかろうかの。」
柔「それでも良いじゃない?行こうよ~。」
滋悟朗「まさか、何か企んでおるわけぢゃあるまいな?」
柔「あたし、そんな事しないよ?」
柔「主人もおじいちゃんと一緒に行った方が良いって言ってるし。」
滋悟朗「そうなのか?松ちゃんや。」
耕作「はい、滋悟朗さんが居ると皆の練習態度も引き締まるかと思ったので。」
滋悟朗「そうか、お主もそう言うなら行っても構わんぞい。」
耕作「よろしくお願いします。」
耕作「鴨田に迎えに来させますから。」
滋悟朗「ここへか?」
耕作「そうですよ、俺達を迎えに来てたみたいにするつもりです。」
滋悟朗「それは助かるのう。」
滋悟朗「ぢゃあ、ここで待っておれば良いんぢゃな?」
耕作「はい、玄関から声を掛ける様に話しておきますから。」
滋悟朗「分かった、よろしく頼んでおくぞ。」
耕作「抜かりなく手配しておきます。」
柔「向こうに先に行って待ってるからね。」
滋悟朗「なんぢゃ?柔は一緒に行かんのか?」
柔「やだな~、あたしと主人は鶴亀から直接西海大に行かないと間に合わなくなるもん。」
滋悟朗「そうであったか。」
柔「西海大の駐車場で待ってるから。」
滋悟朗「分かった。」
滋悟朗「久しぶりぢゃで、楽しみぢゃわい。」
柔「おじいちゃん?西海大は富士子さんが指導するから、鶴亀の部員を指導してね。」
滋悟朗「それは構わんが、お前はどうするんぢゃ?」
柔「あたしは鶴亀の道場で教えるから西海大ではおじいちゃんに任せるよ。」
滋悟朗「そうか、儂に任せるというんぢゃな。」
柔「うん、あたしも何か気付いた時は教えるけどね。」
滋悟朗「そうしてやってくれ、本来はお前が師範なんぢゃからな。」
柔「うん、そうする。」
玉緒「おとうさん?耕作さん?お替りは如何ですか?」
滋悟朗「今朝はこれで十ぶんぢゃ。」
耕作「俺も十分です。」
玉緒「そうですか、それでは終わりにしますか?」
滋悟朗「そうぢゃな。」
4人「ごちそうさまでした。」
柔「お粗末様でした。」
柔「おかあさん?」
玉緒「分かってますよ、お願いね、私はお洗濯してくるから。」
滋悟朗「どれ、儂は部屋で休んでおくとするかの。」
玉緒と滋悟朗は銘々の場所に向かった。
耕作「俺が持って行くから。」
柔「うふ、ありがとう~。」
耕作は食器を全てお盆に載せると柔と一緒に台所へ向かった。
台所に着くと耕作は食器を流しに置いてお盆を直し椅子に座った。
柔はお茶を注いで耕作に渡すとお湯を沸かして後片付けを始めた。
耕作「お茶、ありがとね。」
柔「ね~、もしかして、あなたも予行演習してるの?」
耕作「そこまで考えて無かったけど、結果的にはそうなるのかな。」
柔「うふ、その時が来たらお願いしま~す。」
耕作「勿論さ、そのつもりでいるから安心して良いよ。」
柔「さっきはありがとう。」
耕作「急にどうしたの?」
柔「おじいちゃんの事よ~。」
耕作「その事か、君が上手い事話を振ってくれたお陰だよ。」
耕作「それよりも豪く早めに切り出したもんだって驚いてたよ。」
柔「忘れないうちにと思ってたから早めに切り出したの。」
耕作「そうだったのか、それにしても了解して貰って良かったね。」
柔「うん、でも、それはあなたのお陰でも有るのよ。」
柔「あたしだけだとあんな風にすんなり了承してたかどうか。」
耕作「何にしても一緒に行く事になって、君の心配事が一つ減って良かったよ。」
柔「そうね、これから先の事も考えると、一緒に何かしてた方が良いし。」
耕作「君も滋悟朗さんを大事に思ってるんだね。」
柔「それも有るけど、何より、この近所で色々吹聴されたくないって言うのが本音かな。」
耕作「ふふ、やっぱりそれが理由だったんだね。」
柔「あは、あなたには分かってたのね。」
耕作「この前そう言う話をしてたし。」
柔「そうだったわね。」
柔「終わったよ~。」
耕作「じゃあ、時間まで上でゆっくりしてようか。」
柔「そうだね。」
柔がポットに沸かしたお湯を入れると耕作はポットを持ち柔はカップ2つと急須を持って
2人で一緒に2階へ上がって行った。