堆肥置き場の側を通りかかると、2羽のタカブシギが向かい合い、じっと睨み合っているのが目に入りました。
気になってすぐ横に車を停めてみると、1羽が突然飛び上がりました。
車にびっくりして逃げたと思ったのですが、どうも様子が違います。
飛び上がったのは逃げるためではなく、どうやら戦闘開始の合図だったようです。そこからしばらくの間、2羽のタカブシギによる激しい争いが始まりました。
シギ・チドリ類の採餌風景を観察していると、仲間同士の小さな諍いは決して珍しくありません。一方が仕掛けると、もう一方が逃げて、それで終わることが多いように思います。
ところが、タカブシギは少し違います。
「売られたケンカは買う」とでも言いたくなるほど、相手から仕掛けられると、簡単には引き下がりません。
タカブシギの群れを観察していると、どこかで突然ケンカが始まることがあります。嘴で相手の羽や脚を咥えたり、追いかけたりと、かなり激しいやり取りです。
見ているこちらが怪我をしないかと心配になるほどです。
もちろん、こうした争いには縄張りや餌場、距離を保つための行動など、鳥たちなりの理由があるのでしょう。人間から見ると激しいケンカに見えても、鳥たちにとっては日常的なやり取りなのかもしれません。
それでも、タカブシギたちは今、長い旅の途中です。
繁殖地から渡ってきて、ここで休息し、干潟や水田などで餌を食べながら、次の目的地へ向かうための体力を蓄えています。
そんな大切な旅の途中で、ケンカをして怪我でもしてしまったら大変です。せっかく栄養を補給して体力を回復しても、怪我をしてしまえば旅を続けることが難しくなってしまいます。
やがて争いも収まり、何事もなかったかのようにそれぞれ採餌を始めました。
気の強さもタカブシギの個性なのでしょう。
それでも、旅の途中で立ち寄ったこの場所では、怪我だけはせずに過ごしてほしいものです。
十分に食べて、十分に休んで、体力を蓄えたら、また元気に次の目的地へ飛び立ってほしいと思います。




