南部海岸へエリグロアジサシの観察に出かけました。
観察場所は海岸よりも高い位置にあり、アジサシたちが集まる岩礁は眼下に広がっています。岩礁まではかなりの距離があるため、高い場所から双眼鏡や望遠レンズで観察していても、鳥たちが人の存在を気にする様子はほとんどありません。繁殖行動を見守るには、とても恵まれた場所です。
一昨年、この岩礁では数か所で営巣が確認されました。そのうちの一つでは雛が生まれ、順調に成長していくことを期待しながら見守っていました。
↑2024年7月撮影
ところが、その期待を打ち砕くように台風が襲来しました。岩礁は激しい波に洗われ、残念ながら雛は被害を受けてしまいました。自然界では避けることのできない出来事とはいえ、その結果は今でも忘れることができません。
今回観察できたのは二つのペアです。まだ産卵には至っていませんでしたが、一方のペアでは求愛給餌が行われ、もう一方では交尾も確認することができました。営巣場所がこの岩礁になるのか、それとも別の場所を選ぶのかは分かりませんが、この様子からすると、そう遠くないうちに産卵を迎えるのでしょう。
↑求愛給餌
一方で、今年は海水温が高い影響から、例年以上に台風の発生が多くなるとの予報が出ています。もし予報どおりになれば、繁殖期のアジサシたちにとっては厳しい年になるかもしれません。
遠い海を渡り、子孫を残すために沖縄へやって来るエリグロアジサシたち。今年こそは台風の被害を乗り越え、多くの雛が無事に巣立ってくれることを願いながら、その営みを静かに見守っていきたいと思います。

