公園の池の水面が、いつになく騒がしくなっていました。
見ると、バンが激しく争っています。
これまで私が観察してきたバンの争いは、たいてい追いかけっこのようなものでした。追うものと追われるものがはっきりしていて、どちらかが逃げ出せば争いはすぐに終わります。おそらく序列の高い個体が低い個体を追い払っているだけなのでしょう。
ところが、この日の争いはいつもと様子が違いました。
二羽は水面で執拗に対峙し、なかなか決着がつきません。力が拮抗しているのか、どちらも引く気配がありませんでした。
争い方も独特です。
互いに足を前に突き出し、まるで相手を蹴り合うように絡み合います。顔は相手を睨みつけるような形相で、かなり真剣な攻防のはずなのですが、傍から見ているとどこか滑稽にも見える光景でした。
そのすぐそばを、ちょうどオオバンが通りかかりました。
二羽の激しい争いの横を、何事もないかのようにゆっくり泳いでいきます。その姿は、まるでこの騒動を見守る審判のようにも見えました。
池の静かな日常の中で、思いがけず目にした小さな攻防でした。

