鳥見をしていると、どうしても複雑な思いを抱いてしまう野鳥がいます。私にとってそれはカラスです。

カラスが好きな方には申し訳ありませんが、私にはその色や姿、鳴き声までもが美しいとは思えません。さらに、他の野鳥を追い回したり、雛を襲ったりする姿を見ると、心穏やかではいられません。

 

沖縄本島では、かつてカラスは主に北部に生息していましたが、近年は中南部へも生息域を広げています。

 

 昨年9月、中部の農耕地で、2羽のカラスに執拗に追われているアオバズクを目にしました。私が近づくとカラスは飛び去りましたが、アオバズクはその場から動きません。羽ばたこうとはするものの、うまく飛べない様子で、翼を傷めているように見えました。カラスとの争いで負傷したのでしょうか。

関係機関に連絡し保護を依頼しましたが、担当者が到着したときには、すでにアオバズクの姿はなかったそうです。その後どうなったのか不明です。

 

↑傷ついたアオバズク(2025年9月)

 

 沖縄県では、本土ほど大きなカラス被害はあまり耳にしません。しかし、本島北部では、特にパインや柑橘類を栽培する農家にとって深刻な問題になっていると聞きます。

 

 カラスも「鳥獣保護管理法」の対象であり、捕獲には県知事の許可が必要です。市町村単位で許可を得た上で駆除が行われているようですが、その効果については詳しい情報を耳にする機会がありませんのでわかりません。

 

 沖縄に生息するのは本土のハシブトガラスやハシボソガラスとは異なる、リュウキュウハシブトガラスです。同じ“カラス”でも、地域ごとに異なる姿があるのです。

 

↑リュウキュウハシブトガラス

 

 自然の世界では、捕食や競争もまた摂理のひとつ。目の前で弱った鳥を見ると、どうしても割り切れない思いが残ります。