多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税をするようになる
 
その結果、都会の自治体は税収を得るが、自分が生まれ育った故郷の自治体には納税ができない
 
そこで、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度である(2008年施行)
 
ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度である
 
最近話題になってきたのものに、千葉県勝浦市のふるさと納税の返礼品に用意された市内で使える商品券「かつうら七福感謝券」がある
 
その商品券がネットオークションで相次いで転売されているというのだ
 
高市総務相は「千葉・勝浦市の例ですが価格表示がなされている商品券ですから、ふるさと納税制度の趣旨にはそぐわない物であります。さらにそれがインターネット上で転売されているというのは大変な問題があると思っております」として勝浦市に改善を強く求めたという
 
勝浦市は、10万円の寄付をすると7万円分を商品券で返礼するという
 
しかし、一部でその7万円分の商品券を5万円程度でネットオークションに出しているというのだ
 
結局、寄付した人は10万円を寄付し、9万8千円(2千円負担)の税控除を受け、さらに5万円の現金を手にするというものだ
 
ふるさと納税創設の趣旨は画期的なものだったかも知れないが、各自治体がこぞって返礼品のグレードアップを図ってきたため「返礼品欲しさの寄付」になり、通販のようだと批判も多く出てきている
 
創設から10年が経ち、見直しをすべき時期が来たのかも知れない