先日行ったレンタル店でふと目について、光GENJIのアルバムを借りました。
大人になった今、当時好きだった彼らの曲を聴いて何を思うのか。
そしてデビュー当時彼らの曲の多くを手がけていたCHAGE&ASKA(特に飛鳥涼さん)に思いを馳せたい。
自分にとってはあまりに大きすぎるアーティストの1人です。
光GENJIの曲に魅せられ、そして歌い手としての曲にも興味を持つようになり…チャゲアスサウンドは乾いた土に水が染み渡るように浸透していったような感覚がありました。
初期の楽曲の大半はチャゲアス、特に飛鳥涼さんの名前が並んでいます。
(ファーストアルバムの「光GENJI」は買ったのはカセットテープで、しまいには擦り切れました。ソロパートは誰がどこを歌っているのかわかるほど聴き込んでました…)
状況を想像してみて心を揺さぶられたり、えぐられたり、共感したり。
感情にはこんなに振り幅があるんだと…そんな曲を数多く聞かせてくれました。
今の飛鳥さんの姿、がっかりするとか幻滅するとかいう時限の話ではなく…もうそんなものでは語り尽くせない複雑な感情があります。
(当然今は店頭から姿を消していますね…)
「ガラスの十代」
一番好きだったのはセカンドシングルのこれ。
サビの部分が強烈に印象に残りました。
「壊れそうな物ばかり集めてしまうよ 輝きは飾りじゃない ガラスの十代」
タイトル通り、10代って脆くて危なっかしくて壊れやすいガラスみたいで…でも理屈抜きに大事にしたいものを抱えてて。
飾りなんてなくても、若いからこその輝きがあるような。
メロディにも物哀しさが漂う、惹きつけられる曲でした。
高校生になると、友達の影響でいろいろな曲を聴くようになって違うジャンルに興味を持っていき、いわゆるアイドルからは卒業した気がします。
(SMAPがデビューした後はいわゆるカラオケ全盛期で、皆で歌うことが楽しくて覚えていった感じ。なので同世代ではあるけど、彼らのファンとはちょっと違うポジションにいたと思います)
いざ今聴いてみると…?
声量ないな…ラップも下手…音程も…(略)
ソロで歌おうものなら目立たないし声が埋もれてしまうよ…
いや、下手なのは際立ってしまうのか…
辛口気味ですが、正直な感想はこうでしたw
演技でもそうだけど、歯の浮くような台詞って上手くない人が言うとこっぱずかしくてくすぐったくなります。
(戦隊・仮面ライダーの、放送開始してすぐの頃の役者さんの演技もそう…)
人生経験を積んだ、目も耳も肥えたであろう大人には響かなかったのが今ならよくわかります。
(現に昭和の頑固親父そのものの父はどこがいいのか全くわからないと言っていて、テレビで見かけると顔をしかめていたものです…)
音楽の習い事をしていた訳でもなく、あの頃の自分は歌や演技の上手い下手ってどういうことなのか、全くわかりませんでした。
歌の上手さ以外の魅力を感じていたからですね。
彼らはまだ10代で(光の2人は少し年長だったけど)重いローラースケートを履いてパフォーマンスをしながら歌っていました。
あの激しいパフォーマンスをしながら歌うなんて至難の技だったでしょう。
(口パクになるのも…略)
ダンスパフォーマンスもしつつ歌える、それも高いレベルの人なんて、昔も今もそんなに多くはないですよね。
今時でパッと浮かぶのは男性なら三浦大知さん、女性なら安室奈美恵さんとか?
それでも解散する頃のシングルなどを聴くと、デビュー当時よりは上手くなってはいるなと思いました。
「CO CO RO」「WINNING RUN」
この2曲は手がけた人がSMAPの曲でお馴染みの森浩美さん・馬飼野康二さん。
初期のSMAPが歌っても違和感のないイメージです。
辛いこと悲しいことも吹き飛ばしてしまえ!とにかく前に進もうぜ!という、前向きなパワーがみなぎっているような。
「太陽がいっぱい」は大江千里さん。
風のようにさりげなくそこにいて、優しく見守るようなイメージ。
繊細で、時にちょっとわかりにくい表現があるのも特徴的でした。
「瞼のオレンジ 弾ませてごらん」て何のこと?って、当時思ってました。
目をとじて太陽の方を見ると瞼がオレンジ色に光っている…ということでは?という説を知恵袋だかで見たことがあります。
「いつかきっと」
これも飛鳥さんの曲。
彼らの映画「これから物語〜少年たちのブルース」「ふ・し・ぎ・なBABY」の主題歌で、宣伝映像では観たり聴いたりしたけど、シングルカットはされなくて、いつ発売されるんだー!とヤキモキしてました。
3枚目のアルバム「Hey! Say!」に収録され、音源として手元に来た時はとても嬉しかったことを覚えています。
「僕の中で一番やさしい 夢を君の瞳にあげよう
テーブルのイチゴジャムほどの甘さを乗せて
行く先のない明日だなんて あたり前のお話じゃないか
もう一日眠ってみよう 扉ができるまで」
テーブルのイチゴジャムほどの甘さを乗せて
行く先のない明日だなんて あたり前のお話じゃないか
もう一日眠ってみよう 扉ができるまで」
サビのこの部分、優しさに溢れているようで…当時はかなり癒されていました。
飛鳥さんの手がけた光GENJIの曲って、いろいろなことがあっても前へ進むとか乗り越えるといったイメージのものが多かったと記憶してますが、これは待つとか眠るとか癒すとか包み込むような暖かさを感じた曲でした。
宇宙人(?)の赤ちゃんの出てくる映画に合わせた世界観だったのでしょうか…?
(映画自体はアレだったけど、ラストに流れるこの曲で全て洗い流されたような気がしました…爆)
子供の頃に意味もよくわからず聴いていた曲を大人になって聴いてその意味がわかるということは数多く経験してきましたが、その年代によって響いたり響かなかったりすることもあるのだな…。
今まで好きで覚えて歌ってきた曲を忘れることはないけど、時間と共に感じることは変わっていくのだな…。
そんなことを強く実感しました。
音楽からもしばらくは遠ざかっていましたが、個人的に大忙しだった時期を超えたので、またいろいろなジャンルのものを聴きたいという気持ちが湧いてきました。