松山英樹がついに日本人の悲願であった、プロゴルフのメジャー四大タイトルの一つ、マスターズを制覇するに至った。

 

 

 どれ程の悲願であったかと言うと、女子は韓国人がよく優将して世界ランキング上位を独占しているが、アジアでは男性はまだその域に達していない。

 

 

 かつて岡本綾子がアメリカの賞金王に輝いた時も、メジャーチャンピオンは叶わなかった。何時の大会だか忘れたが、バーディが決まれば優将だと云うとき、真ん中から入ると思われたパットが、何か魔法にでも掛けられた様に、カップの直前で止まった事を思い出す。

 

 

 この様に日本人はメジャータイトルとは無縁であった。青木功、尾崎将司、中島常幸、倉本昌弘、石川遼、何人もの錚錚たる人間が挑戦したが、悉く跳ね返された。よって我等アマ・ヘボゴルファーの共通認識は、アメリカのPGAツアーに参戦し、数勝を挙げた者が調子が良く、最終日に首位に立った者のうち、最終ホールでまだリードしていたら、優勝を望めるかも知れないーーと言った程度であり、そのことに気付いた丸山茂樹や小平智も道半ばと云った状態だったかも知れない。

 

 

 丸山茂樹や小平智、石川遼はそのことに気付いた人間かも知れないが、丸山と石川はPGAを引退しているし、小平は一勝しているが、予選を通過するのが精一杯である。

 

 

 全英女子オープンで優勝した渋野日向子の時も、解説者の樋口久子とコメンテイターの戸張捷との間に微妙な温度差が生じた。樋口はこれくらい離れていた方が強く打てて入りやすいと言うのに対し、戸張はマイナスの発言を繰り返した。

 

 

 松山英樹の場合も、解説の中島常幸の発言が暗すぎて、先回りして心配の種をまき散らすので、最終日に同席した宮里優作の言葉が大いに力になった。因みに宮里優作は東北福祉大学の先輩である。宮里藍ちゃんのお兄さんと云った方が分かりやすいか。中島の反応は戸張と同じく過剰な心配の部類に入るだろう。

 

 

 日本人はかつて戸張や中島の心配通り動いてきた。何を隠そうおじさんもその一人だ。悪意はなく、過剰な心配がその通り実現していたのだ。松山のようにメンタルトレーナーを傭う必要があるかも知れない。

 

 

  by 考葦(-.-)y-…